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ベネッセハウス② ~できるか?結婚式~

【データ】
訪問年月日
2011年6月某日から1泊

宿泊プラン
パークダブル
ホテルHPから予約 テラスプラン(15時チェックイン、11時チェックアウト ホテル内レストラン「海の星」での夕・朝食付き)

料   金
大人2名で41,000円(プラン料金のみ。夕食時のドリンク代は忘却)


【宿泊記録】

○客室の手紙

 ベネッセハウス初訪問から約9ヶ月。僕は妻にプロポーズをしました。
 まあ、プロポーズの詳細等は置いといて、自然、当然に「結婚式、どうする?」という話になります。とりあえず、「ゼクシイ」買ったりして、そこに膨大な式場情報が載っていたりするのですが、僕は1枚の手紙にあった文言を覚えていました。その手紙はベネッセハウスの客室の宿泊案内資料一式の中にピラッと入っていたのです。

 たしか、「ベネッセハウスで結婚式をご希望の皆様へ」というようなタイトルで始まったその手紙は、ベネッセハウスは結婚式場ではないこと、ただ、熱烈に希望するお客様には特別に対応している例があること、が書かれており、最後を「まずはあなたの熱意をお聞かせください」と結ばれていたものでした。


○行って相談しよう!

 僕は妻に、「行って相談してみない?」と言いました。
 そもそも、僕らの結婚式はこぢんまりしたものを考えていました。お互い故郷はあっちのほうだし、やるなら家族を呼びやすいふるさと近くで。そして地元でやるなら東京の友人たちはおいそれとは呼べないし、だったら両家だけでもいいよね、と。妻は快諾。すぐさま、1か月後のパークを予約しました。もうついでに式用の予約もしちゃえ、と日程調整のために両家にそれぞれが電話。9月のはじめならいろいろ都合もつきそう、ということで、あこがれのオーバルを贅沢に3部屋予約。日程調整と書きましたが、ベネッセハウスの空き状況とにらめっこしながら家族の都合を聞いたのでした。


○「訪問日に結婚式」の偶然

 そして、ついに訪問日を迎えます。今度は普通に岡山側、宇野港から直島に向かいました。さすがに、少し緊張。結婚式ができる、という手がかりはあの客室の手紙しかないのです。今までベネッセハウスで結婚式をした人たちがどのくらいの熱意をもって訴えたのか。ホテル側にとってはどの程度の特例になるのか。ついでに費用はどうなのか。バカ高いのか。正直、結構不安です。夫婦お互いに見た感じ熱意あふれるタイプでもなし。普通にあっさり断られたらどうしよう…。この心もち、もはや遊びに行くという感じではありませんでした。

 直島のメインポート、宮浦港に着き、前と同じく専用シャトルバスでベネッセハウスに向かいます。今回もパーク棟でバスを降車。フロントでチェックイン手続きをして部屋へ…のタイミングで、


 「今日は結婚式をしているんですよ」


 と、いきなりホテルのスタッフさん。

 「えっ」と内心絶句の我々夫婦。もしかしてハードル高くないのか?おそるおそるこちらからも攻め込んでみることに。

筆   者:「結婚式って普通にできるもんなんですか?」

スタッフ氏:「ええ、できますよ。担当の者もおりますし。」


 正直、安心しましたね。ほんとに。そのあと、客室から出直してきて(気を落ち着けて)、もう一度フロントへ。結婚式の相談をしたい旨を話し、担当の方の予定を押さえてもらいました。相談は、チェックアウト後の時間。パークラウンジで。


○本気の相談

 少し安心できて2度目のベネッセハウス滞在を満喫した僕ら。今回は特に出歩かず、ホテル内でのんびりしました。そしてついにチェックアウトの時間。ついに相談の時間です。フロントから階段を降りて、ラウンジで待ちます。

 「お待たせしました」とMさんが現れたのは、間もなくのことでした。上司という男性と2人。僕らも夫婦揃って向かい合います。少し商談っぽい。

 なかなかプライベートで自分の企画をまったくの他人にプレゼンすることなんてありません。仕事とはまた違った緊張感を感じながら、僕は気づくと懸命に自分たちの結婚式について話をしていました。両家だけで小ぢんまりやりたいこと。オーバル棟の広めの部屋の中でルームパーティのようなことができればいいな、ということ。部屋は実はもう予約済みであること。そしてベネッセハウスでやりたいこと。こんないいところに家族もぜひ連れてきたいこと。
 一方で、Mさんと上司の方の顔がかすかに、少しずつ曇っていきます。二人で視線を合わせて、また曇る。あれ、もしかしてダメなのかな。それは困るなあ…。ひととおり説明を終えた僕らは少し不安な気持ちになりながらMさんの言葉を待ちました。

 黙って聞いていたMさんがついに口を開きます。

 「お部屋でされたい、ということですが、このラウンジの隣に実は小部屋があります。そこで食事会も兼ねて挙式はいかがですか?」

 あっ、そういう手があったんですね…。どうも我々の挙式自体が難しいから表情が曇っていたのではなく、オーバルでルームパーティという企画にやや無理があったようです。たしかに、オーバル棟というのは、ベネッセハウスの中で一番高いところにあって、ミュージアム棟と専用のモノレールでつながっているだけ。そこまで料理を運ぶだけでも困難を極めるでしょう。気軽に言ってほんとすいません。

 パークラウンジの隣の部屋は、ボードルームといいます。小規模のイベントや会議なんかをするような施設のようです。下見もさせてもらいました。20人くらい座れるような長ーいテーブルがあります。結婚式をするなら、食事はテラスレストランから持ってくるような形になるようで、ボードルームならほど近い。それにボードルームにはさらに前室のような小部屋があって、そこで最後の仕上げなんかもできるとのこと。それはいいアイデアだなあ。それでお願いします、といって打合せ終了。これからの詳細を詰めていくのはメールでやりましょう、ということになりました。本番までの最後の顔合わせがほぼこの時ってそんな結婚式企画、国内で例があるんでしょうか(笑)。でもほんとに相談ができてよかった。結果的に熱意も伝わったようです。その割に企画内容自体がささやかすぎて逆に戸惑っておられたので、重ね重ね申し訳なかったです。まあ、そんなこんなで晴れ晴れと島をあとにしたのでありました。


 このときから3か月後、結婚式本番があんな予想外の事態になろうとは、まだ誰も予想だにしていなかったのでありますが。なーんて、ちょっと引っ張ってみる。③に続きます。




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ベネッセハウス① ~初訪問~

【データ】
訪問年月日
2010年7月某日から1泊

宿泊プラン
パークデラックスダブル
ホテルHPから予約 一扇プラン(15時チェックイン、11時チェックアウト ホテル内レストラン「一扇」での夕・朝食付き)

料   金
大人2名で56,000円(プラン料金のみ。夕食時のドリンク代は忘却)

ホテルHP


【宿泊記録】

○瀬戸内国際芸術祭

 大学時代に現代アートをかじったので元々興味があった直島。しかし、オシャレなイメージが男ひとり旅の足を遠ざけてきたのもまた事実でした。妻と付き合いだして間もなく、美術館にも付き合ってくれるのが分かってから、絶対一緒に直島に行きたいと決意。そして、ちょうど第1回開催のお知らせが流れた瀬戸内国際芸術祭。お互いの実家もほど近く、夏に帰省するついでに直島を初訪問しようと計画が固まったのでありました。


○高嶺の花

 「美術館の中にあるホテル」

 たしか大学の授業でこんな紹介をされたベネッセハウス。なにかの折に「そういえばベネッセハウスってどのくらいするとこなんだろう」と調べてみると、たしかそのときには3万とかって書いてあったように記憶しています。おいおい、これは高嶺の花だなあ…と当時の僕はあきらめ、また、別で先に行ってきた妹も日帰りだったため、なんとなく直島は日帰りで行くところ、というイメージをもっていました。

 でも、せっかくいいとこに行くんだから、できたらベネッセハウスに泊まって
直島を満喫したいよなあ…そうやって社会人3年目の目でベネッセハウスの宿泊を調べてみると、


―――ちょっと高いけど、出せなくはない!


 と、思えました。今はないのかもしれませんが、ハイシーズン等の期間限定で1泊2食付きのちょっと割安なプランがちょうどあったというのもいい具合でした(普通は泊食分離型で室料+食事になる)。

 そうと決まればさっそく予約を取るため始動。さすがの芸術祭中ということもあり、なかなかの埋まり具合でしたが、下から2番目に安かったパークデラックスダブルの部屋を確保。空き状況的に仕方なかった面もありますが、地中美術館などの直島のメイン施設が休館日である月曜宿泊にしたのは、結果的に大正解でした。フェリー乗り場のおじさんにもこのスケジューリングはほめてもらえました。火曜の朝から直島にいられて、貴重な日中を移動に費やさなくていいというのがその理由です。


○初のリゾート体験

 さて、実家での行事を終え、岡山で妻と合流します。さあ、宇野線に乗って、宇野港からフェリーで…と思われるでしょうが、初回は違いました。せっかくの芸術祭なんだから他の島にも行こう、ということで、まずマリンライナーに乗って瀬戸大橋を渡り、高松駅を目指します。高松駅から高松港は歩いて5分。宇野駅から宇野港よりは近いかな。せっかくの芸術祭だから他の島も見ていこうよ、ということで、鬼ケ島と言われる女木島、男木島を経由して直島に上陸しました。

 直島に上陸するとそこには海の駅なおしまが鎮座しています。ここが駅なのでもちろん船のきっぷも帰るんですが、簡単な飲食もできます。もうだいぶ経ってからこれを書いてますので、何を食べたか記憶があやふやですが、うどんかなにかを食べたような。あと、島内の地図や時刻表もだいたいはここで揃います。公共交通機関をガンガン使って自力でガンガン見て回るという人には強い味方になってくれる施設です。

 一方、ベネッセハウス宿泊者は専用の送迎バスがあります。町営バスを駆使してプラン立てて回るのもひとつの楽しみ方ですが、ベネッセハウス宿泊専用送迎バスに乗れば、乗り換えなしでベネッセハウスまで連れて行ってくれます。事前に調べているとき、宮浦港から南側を回れば歩いても行けるんじゃないか?なんて話をしてましたが、この日の暑さはそれを検証する気さえ許さず。肌が文字どおり泡立つほどの猛暑日だったのです。おとなしく、宿泊者専用バスに乗り込む我々。15分ほど走ると、ベネッセの敷地内に入ることを示す表示が現れます。

 「これがリゾートかあ」

 海が近い。そして、この敷地内に来る人のことだけを考えて整備されているエリアであることを即実感。リゾートに来たんだなあ、と初めて実感を伴ってリゾートを認識したのでありました。
 

○予想外のリフレッシュ感

 ベネッセハウスに初めて泊まったとき、一番感じたのは、「瀬戸内海に浮かぶこんな小島にこんなにちゃんとしたホテルがあるんだ!」ということでした。もちろん期待はしていましたが、そもそも美術館の中にあるホテル、がコンセプトの施設。重点はアートのほうに置かれていて、サービスや宿としての質は二の次なんじゃないのかな、と少々の不安があったのも事実。でもその不安は着いてすぐに一掃されました。なにせフロントの対応がスマート。まさか地元に帰ってきてこんな衝撃を受けられるなんて。

 宿泊したのはパーク棟。海から一番近い宿泊棟です。長い客室廊下がいい感じで気分を盛り上げてくれますが、部屋に入った瞬間の素晴らしさはいまだに覚えています。建物は木の造りでコテージのようにも感じられます。窓を開けてテラスに出ればもう潮風。海までの間に広がる芝生や点在するアート作品。それらの間を自由に散策する人たち。着いたのは昼下がりから夕方にさしかかるくらいの時間帯でした。人間、初体験はとかく印象に残るものですが、なんかもう夫婦ともども感激してしまって、いっぺんに好きになってしまいました。

 チェックイン後もいろいろベネッセハウス内を散策しました。いまや最も好きなラウンジのひとつ、パークラウンジではウェルカムシャンパンをいただき(最後の客だったのであまりを余分にもう1杯もらってしまいました)、若干酔っぱらってそのまま夕食のためにミュージアムという別の宿泊棟に移動。車ならすぐなのに10分くらい波打ち際から道に出ててくてくふらふらと歩いていきました。ミュージアム棟の和食レストランでの食事。食後はベネッセハウスミュージアムをじっくり鑑賞。普通の美術館なら開いていないような夜に、しかもほろ酔い&おなかいっぱいでアート鑑賞ができるなんて。空が開いている場所に設置してある「天秘」という巨大な石の作品は、その上に寝転がれる体験型作品ですが、妻はいまだにそのとき寝転がったことを楽しかったと言い、行くたびに寝転ぶことを所望しています。

 残念ながらベネッセハウスをチェックアウトしていざ帰ろうと帰途についたその時、「あ、なんかリフレッシュしたんだな」とふと実感した自分がいました。
 ちょうどそのころ、自分がやっていた仕事がすごくイヤで、とにかく職場に行きたくない、その仕事したくない、という気持ちでいっぱいでした。休暇もできるだけ気分転換しなきゃとなかば仕事を忘れることに対しての強迫観念があったといってもいいかもしれません。それが、ふと気づくと「まあしょうがないから明日から仕事がんばるか」という気になっていたんですね。休暇を終えるとき、こんな気持ちで終えたことはここ最近なかった。それだけに記憶に残りました。

 今考えれば、船で渡るという条件も、常に海が見えるというロケーションも、いろんな過ごし方を支えるだけの設備の整い方も、たぶん僕らの好みの宿だったんでしょう。でも、このときまだそこまで分析できてはいませんでした。ただ、観光地の近くで一泊するだけだった宿について、「自分たちに合うものがある」と考えるきっかけになり、かつ、そのまず第一候補になりそうな宿であることを予感はしていたと思います。「また来ようね」という言葉とは裏腹に、確実に近いうちの再訪をどこかで決心していたなと思う、そんな初訪問だったのでした。

②も「近いうち」いずれ。




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