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いい宿求めてウロウロします。してます。

あらや滔々庵&ホテル日航金沢

【データ】
訪問年月日 2014年1月忘日から1泊ずつ
宿泊プラン エースJTBフリープラン
      あらや滔々庵(14時チェックイン、11時チェックアウト)
      ホテル日航金沢(13時チェックイン、13時チェックアウト)
部屋タイプ あらや滔々庵 403宝生
      ホテル日航金沢 スーペリアツイン禁煙
料   金 大人4名で\169,307(プラン\164,180+あらや有栖川山荘等\5,127)
宿 H P あらや滔々庵 ホテル日航金沢


【宿泊記録】

1月に両親と妻の4人で北陸へ出かけてきました。そのときの旅行記を書いておこうと思います。

<計画>
11月の終わりに時期を外して帰省したときのこと。
寂れた地元の街が唯一誇るレストランらしいレストランで、父親の退職祝いをしていたときのことでした。
「そういえば、前に一緒に旅行に行こうって言ってくれとったじゃろ。行き先を考えてみたんじゃけど、伊勢はどうかなあ。」と父親が言いました。

…伊勢!?また!?

実は、その年の6月に妻の家族とうちの家族の両家合同で既に伊勢旅行をしていたのです。しかも、父親と母親はこの秋にもたしか伊勢神宮に行ってきたという(笑)。まあ、父親は大学時代をあのあたりで過ごした人だし、もともと僕とか家族も好きで、妻も好きなので別にまた行くというのはそれはそれでいいかな、とは思ったのですが、せっかくの家族旅行はまた少し違った行き先を体験させてあげたいなと思ったのでした。父親なりに伊勢(というか鳥羽)近辺の宿も調べたらしいのですが、ひとまず「ちょっと僕も調べてみるわ」と引き取り、いったん棚上げにしたのでした。

東京に戻ってからも内心における家族旅行の検討は続いていました。
できるなら、僕ら夫婦が今まで行ったところの中で、「よかった」と思うところがいいね、その方が安心だよね、と探し始めたのですが、それが意外に難しい。僕らが泊まったことがあって「よかった」宿だと、箱根のハイアットとか、軽井沢の星のやとか、ベネッセハウスとか、はたまた、九州に飛んで由布院の無量塔とか。うーん、意外に選択肢が少ない。しかも、関東圏では足をのばしやすい箱根や軽井沢というところも、関西以西からはるばる東京まで来た挙げ句に、また新幹線や特急で移動するという長旅を強いることになります。それは必然的に伊豆だとか日光、僕らも行ったことのある伊香保なんかも立地条件としては同じです。そうなってくると、だんだんと候補地は西へ西へと動いていきます。

ならば、と九州を検討し始めると、今度はこっちから行くのが結構遠い。飛行機使えばいいじゃん、という話もあるのですが、冬の天候が読めない中、使い慣れない身にはリスクが高いなあ…というのが正直なところです。あと、無量塔に4人はなかなかのお値段という事情も(笑)。

そのほか、地元近場といえる広島の石亭とか、京都の俵屋旅館とかいろいろ考えてみたのですが、そのあたりは温泉がなかったり、これまた予算的なところもあったりで決まらず。困ったなあ、と愛読書の『一度は泊まりたい有名宿 覆面訪問記』や「DiscoverJapan」の特集、「BRUTUS」の特集などを引っ張り出してきてみたり…。と、ひとつの宿が浮上しました。それが、


あらや滔々庵、です。


これは柏井壽氏があちこちでオススメ宿として紹介している宿で、山代温泉でも名宿として名高い宿。なんか一文中に宿が多かったですね。柏井先生はなかなか宿の見方が厳しそうですが、そんな方のお眼鏡にかなうのなら少なくとも「欠点の少ない宿」である可能性が高いなと考えました。それから客層も年齢が少し高めのような感じで、ちょうど親の世代くらいに人気がありそうなスペック。いろいろと口コミも調べてみたりしましたが、おそらく何となくの印象はそれほど外れてはいない感じだったので、この宿を中心に旅程を組むことに。早速父親に電話して、「こないだの旅行の件だけど、山代温泉に行ってみない?」と言ってみると、これはこれで興味を示してくれて、すぐさまOKが出ました。

<予約>
さて、次は速やかに予約をする必要があります。
都内のホテルとか箱根くらいならきっぷと宿を別々にとってもそんなに変わりませんが、一定時間以上の電車旅があるなら各旅行会社のフリープランを使うのが結構お得だと思います。自分のお気に入りはエースJTB。理由はパンフレットが一番充実しているからです。

今回の旅の目玉は山代温泉あらや滔々庵の宿泊ですが、せっかくあっちの方面まで行くということで、金沢観光もくっつけての2泊3日。2泊目はこれまた比較検討した結果、ホテル日航金沢泊に決めました。

旅行日までもう1ヶ月ちょっとということで仕事帰りに近所のJTBを訪問。土日に行くと結構混んでて待たされることもしばしばですが、平日は空いてました。向こうは覚えていないと思いますが、前にも担当してくれたことのある安心感のあるおねーさんが対応してくれました。

予約といっても、既にパンフレットで十分に検討済みなため、こちらの計画を伝えていって手続きをしてもらうだけです。もしかするとあらや満室の恐れもあったので、事前に一休.comで空き状況を確認し、いざとなったら2泊目@金沢と往復交通券だけ取ってもらおうと考えていたのですが、金曜泊の計画が奏功し、フリープラン内で予約できました。一方、ホテル日航金沢のスーペリアツイン2部屋のほうが空きがなく、仕方ないから片方はグレードあげて取っちゃおうかと言っていたのですが、おねーさんが現地に空きを確認してくださり、なんとか押さえることができました。ありがたい話です。
ちなみに、旅行代理店で申し込むメリットがもう1点。会社の福利厚生にある宿泊助成が使えるということ。この助成金は宿によって1000円だったり3000円だったりするんですが、今回は3000円のほうで、家族も可なので3000円×4人×2泊ということで24000円の割引になりました。ここまで引いてもらえるとは思わなかったのでこれはラッキー。あらやはフリープランの4名1室ひとりあたり26800円(宿泊のみ)なので、ほぼひとり分浮いた計算になります。そのほか、JTBでは現金支払いだと最後に3%引きにしてくれるので、もうほんの少しお得に(このあたりは各店で同じか分からないのでご確認ください)。旅行代理店も担当の人の当たり外れがあったり、たぶんどこかに何かしらの費用が上乗せされてたりするのでしょうが、メリットがあれば足を運ぶ価値ありです。

申し込みの手続きが一通り終わっての帰り際。
いつもはこんなことはあまりないのですが、担当のおねーさんが話しかけてくれました。

「あらや、いいですね。たぶんこの時期だとカニとか出てくると思いますし、いいお宿だと思いますよ。実は私も行きたいと思ってるところなんです。」

こういう声かけ、うれしいものです。ありがとうございます、親の退職祝いを遅くなったんですが、これでしようと思ってるんです、という話をして店を後にしました。


<企画>
ということで、今回の旅行のコンセプトが見えてきました。「両親の退職記念旅行」です。退職祝いの食事会は母親の分と父親の分をやったのですが、どちらも両親のどちらかが発起人という、子供としてはまことに情けない体たらく。このあたりで遅ればせながら(まとめてで申し訳ないけど)退職祝いをしてあげたいという企画です。

家族旅行の際には、いつも作成するものがあります。それは「旅行のしおり」です。もともとこういうのが好きというのもありますし、行く前から楽しんでほしいのでこういうのは苦もなく作ります(仕事は苦ですが)。結局作成に2、3日かかったでしょうか、パワーポイントを使って作りました。パワポなんて仕事でもほぼ使うことがないのに、こういうことでよく使います。意外に習ったりしなくても使えるようになるものです。

しおりの素材はほとんどネット上のものを使います。いろいろと転載しておりますが、まあ個人的な利用ですし著作権的には問題ないでしょう。一応、念のため情報ソースは表示してはいます。
今回だと、「JRおでかけネット」、「KAGA旅・まちネット」、JTBホームページ、一休.com、それから各宿のホームページを素材に再構成してみました。

ちなみに、作ったしおりをどうするか。メール添付?いえいえ、カラーでプリントアウトして郵便です。うちの親はネットが満足に使えないので(笑)。今回はちょうど年末年始の帰省があったので、そのとき持って帰って渡しておきました。そんなうちの両親はともかく、パワポはリンクも貼れますし、しおり作成にはなかなか使えるツールです。


<天候>
冬の旅行で気にしないといけない天候といえば、雪です。
気候的には東京在住の我々より、道路凍結等も心配な両親の方が当てはまりそうな事柄なのですが、今回は東京から行く我々にも不安材料がありました。それが、

米原近辺の積雪

東京から北陸へのアクセスとしては主に3通りあります。うち2つが電車で、1つは飛行機。飛行機は羽田から小松空港まで飛ぶというやつなのでここでは置いておきます。言うまでもないですが、飛行機は空が荒れたらアウト。今回は選択しませんでした。

さて、陸路としては、東京から越後湯沢経由で行く方法と東海道新幹線に乗り、米原経由で行く方法があります(初日の宿泊は山代温泉のため、降車駅は加賀温泉駅)。今回は途中で合流できるという事情もあり、僕らはだいぶ久しぶりの新幹線「ひかり」に乗り、米原駅で特急「しらさぎ」に乗り換えるルートを選択したのでした。

JTBできっぷをとってもらうとき、米原の雪に思い至っていればよかったのですが、年末帰省時に新幹線のアナウンスを聞くまで全然思い出しませんでした。米原駅での乗り換え時間は10分間。一方、米原で降雪があれば新幹線は京都着が15分遅れ。ぬぬ、これは軽視できない問題です。

といっても、もはやどうしようもない話なので、必要以上の豪雪にならないよう祈ることと、なるべく速やかに乗り換えられるように事前の調べをしておくくらいしかできません。そこで、やはりまずはネットで検索(笑)。「米原 しらさぎ 乗り換え」とでも検索すればいろいろとヒットします。Yahoo!知恵袋の情報とかが役に立つかなあと思います。

そして、結論としてはですね、遅れがなければ10分あれば余裕だと思います。僕らはたしか6号車に乗っていて、前(進行方向:京都方面)側のドアから降りたらほぼ階段ドンピシャでした。なので、5号車から6号車あたりが乗り換えに便利という情報は正しいといえましょう。できれば事前に移動できてれば理想的。移動できなくても大丈夫だと思います。僕らは初めてのことで気が焦ってちょっと急いでしまったので、およそ2分くらいで乗り換えてしまいました。ちなみに階段をあがるとほんとにすぐ改札機があるので、きっぷは事前にご準備を。
一方、両親はやはり出発当日は雪もしくはかなりハードな道路凍結に見舞われるのを察知したらしく、新幹線乗車駅のすぐ近くに宿をとって万全の体制で出発したそうです。米原での余裕も30分程度とっていたので、悠々トイレに行って、「しらさぎ」出発直前に綽々と現れました。そっちのほうが賢い。


<1泊目>
と、いうことで出発当日を迎えました。
新幹線の出発時刻は朝の9時半すぎ。だったら8時半くらいに家を出て…と考えるのは甘いのです。そんなことは状況が許しません。なにせ、首都圏でも有数の混雑を誇る私鉄です。そして出発日は金曜日=平日です。それほど大荷物でもありませんが、これをもって満員電車に乗る勇気はない、そのくらいの装備です。なので、混むのがイヤな我々は夫(=僕)が普段家を出る6時半頃に早くも出発しました。その甲斐あって7時半前には無事東京駅に到着。喜び勇んで朝つけめんです。あれ?

いきなり脱線しておりますが、ほんとに最近の東京駅といったら、素通りを許さない充実ぶりです。ラーメンストリートもその人気の一角を確実に占め、そのうちの5割以上を占めるんではないかという超人気店が六厘舎。超有名なのでご存じの方が多いと推測いたしますが、ここでは「朝つけ(朝つけめんの意)」を早朝7時半から提供しています。朝っぱらなのにニーズは衰えるところを知らず、いつ行っても行列。でも、昼時の激長蛇の列に比べればくらか穏やかでまだ並ぶ気になる朝は、相対的に穴場の時間帯になっています。早く東京駅に行く朝は六厘舎で朝つけ、というのが我々の選択肢のひとつ。今回も朝食はここで済ませました。なにせ、並んでもまだ出発まで2時間もあるのですから。

さあ、食べ終わってもまだ8時。どうするのか、というのが悩ましいところですが、とりあえず時間をつぶせるカフェらしきところを探します。八重洲北口方面ならいつも空いているスタバがあるんですけれど、ここは南口に近いほうなので結構あります。そして、できれば改札に近いところの方が機動的なので、とりあえずラーメンストリートから階段で1階に上昇。そのまま中央口のほうに歩いていくとありました、ドトールの八重洲中央口店です。

店は1階と2階があり、2階は結構な席数があります。ちゃんと分煙がされているいわゆる「白ドトール」。時間帯的になかなか混んでいましたが、回転も速いので座れないほどではなく、すぐに席を確保できました。着席して1時間ほどゆっくり時間をつぶして、さあ、いざ北陸へ。先日おいしい駅弁を買えた「駅弁屋 祭」で、妻は帰省の時と同じく炭火焼牛タン弁当、僕は神戸牛のすき焼き弁当を入手。ほくほくしながら新幹線に乗車したのでありました。

新幹線車内では、米原近辺での積雪を伝える不吉なアナウンスが流れていて心配しましたが、到着が遅れるのは京都で、米原駅までは時刻通り予定とのこと。結果的にその通り運び、上で心配していた乗り換えもスムーズに終了。米原駅で両親がトイレでのんびりしていたので少し心配しましたが、なんとか「しらさぎ」車内で合流完了。とりあえずこれで一安心、と駅弁の加熱ヒモを引き抜いたのでありました。

特急「しらさぎ」には初乗車です。以前、京都在住のときには出張では「サンダーバード」を使ったものですが、「しらさぎ」は京都を通らないのですね。微妙にルートが違うという。今や洗練されたデザインのメガネで表参道にもアンテナショップを出店するほどの鯖江なんかも通過しつつ(駅前は結構何もない感じ)、トンネルを抜けるたびに雪国感が強まってきます。米原から結構しっかり乗って1時間半、完全に景色が雪国となったところで(というか吹雪)加賀温泉駅に到着しました。

一応、JTBでの予約の際に送迎もお願いしていたはずですが、念のためバスの時刻表もプリントアウトしてきました。しかし、そこは名宿あらや滔々庵、ちゃんとお迎えの方が待っていてくださいました。電車の到着も雪で遅れ(特急以外の在来線はどうやらストップしていた模様)、寒かったでしょうに、文句や不機嫌等なく車まで案内してくださいます。宿の名前がラッピングされた黒いワゴンで出発。加賀温泉駅前にはいろいろとチェーンの郊外型店舗がポツポツと建っています。晴れていれば見えるはずの加賀の大観音は今日は見えませんでした。

加賀温泉駅から車で15分ほど走れば山代温泉に到着します。おお、これがホームページでも見た山代温泉古総湯(総湯=共同浴場)かあ、やっぱ新しいなあ、などとのんびり言ってる暇もなく、そのど真ん前があらや滔々庵です。車が着くと仲居さんが傘を差し掛けてくださり、一行は順次宿の中へ案内してもらったのでした。
宿の中ではこれまた仲居さん(女将さんもいらっしゃった?)が数名お出迎え。普段こんな宿に泊まらないので、僕らも新鮮に感じます。久しぶりにいわゆる由緒ある宿にきた感じ。宿の中はエレベーターの中に至るまで総畳敷きでこれはいい雰囲気です。浴場の場所だけ案内していただいて、まずはそのまま部屋へ。チェックインの手続きも部屋です。

部屋は4階403の「宝生」。4名1室の和室です。露天風呂付きとかだとプラス1万とかになるみたいです。家族旅行ですし、大浴場がうれしいので普通の和室にしました。大きな窓からは裏の庭(「自然の山庭」ですって)にさーっと降る雪。北陸の雪は水分が多くて重い雪だと聞いていましたが、そんな感じはしません。でも落ちるスピードが速いのはだからなんでしょうか。雪国育ちではないのでなんとも。「宝生」の部屋からは宿自慢の離れBAR「有栖川山荘」に続く渡り廊下とその建物がちょうど同じ高さくらいで望めます。それもそのはず、4階から行けるようになっているのですね。夜しか開かないのでそちらへはのちほど。

仲居さんの館内のご案内もあっさりめで終了。お薄とお菓子でもてなしていただいて、仲居さんは退出。ふうー、とみんなで一息つきました。父親は部屋の中をウロウロして見て回っています。母親は窓越しに降る雪をぼーっと。二人とも気に入ったようでまずは一安心。僕ら夫婦もだんだんといい宿ウロウロモードに入ります。

早速僕は部屋をゴソゴソし始めます。何を探しているのか?それは「館内案内」です。どこのどんな宿に行ってもこれを読むのがとにかく楽しい。分量があればあるほどうれしいのです。

ところが、

探してもない!どこにもない!

さあ、軽くパニックです(笑)。和室には「書院」というとても雰囲気のある小部屋がついているのですが、そちらにもない。ふうむ、まあいいか、とあきらめようとしたところ、父親がフロントに問い合わせてくれました。どうやら、あらやでは特に館内案内のような冊子はなく、仲居さんによる口頭説明くらいだそうです。ただ、ご案内が不十分だったかもしれないということで、今ひとり仲居さんが館内の説明にきてくださるとのこと。おっ、声が聞こえました。そして新仲居さん登場。

いやあ、ショーのようでした。なんともよどみない説明。そして伝えようとしてくださる情熱。それなりの年かさの方なんですが、不思議と説教っぽく聞こえないんですね。以前行ったことのある、これも名宿と呼ばれる宿ではちょっと嫌な思い出を家族でしたことがあったのですが、こちらではそんな風に感じることもなく、楽しんで聞くことができました。結果的にひと手間ご迷惑をおかけしたわけですが、来てもらって聞けてよかった。特に、魯山人の作品がいくつか館内にあるという話は聞いていたのですが、どういう風に鑑賞したものかと少々戸惑い気味でした。それをもう自由に、写真も自由に撮ってもらって構わないと言っていただけて、かなり気楽に過ごせるようになったと思います。

仲居さんの楽しい館内案内を聞かせてもらったあとは、ようやく「風呂行くか」という雰囲気に。先に男連中が入らせてもらって、そのあと誰か帰ってきたら女性陣が行くことになりました。

お風呂は1階。エレベーターで降りて、フロントとは逆の方向に進みます。お風呂に行く途中にも魯山人の作品がひとつ。また、風呂上がりの小さなお休み処にはビールが冷やしてあったり、これはうれしいです。早速父親は風呂上がりに飲んでました。

浴場は3つあって、普通の大浴場が「源泉閣」と「瑠璃光」のふたつ。これが両端ですね。そして真ん中が「烏湯」というメディテーションバス。メディテーションバスという言葉は星のや軽井沢以来です。瞑想するのにちょうどいいお風呂、というイメージですが、あらやのは如何に。
浴場は男女入替制で、最初は源泉閣が男湯、翌朝は瑠璃光が男湯になってました。烏湯もどちらかしか入れない仕組みになっていて、1日目の夕方は男湯だったんですが、夜からは女湯になり、結局僕は入りそびれてしまいました。妻は烏湯にも行ってみたそうですが、星のやほどではないにせよ、夜だし暗くて怖かったからちょっとしかいられなかったとのことでした。どこでもメディテーションバスは初心者にはなかなかハードルが高いようです(笑)。

お風呂で僕が気に入ったのは、どちらかというと瑠璃光のほうでした。天井が高くて、木の感じがとても強い。香りがよいです。一方、露天はやはり庭がしっかり見える源泉閣。灯籠のある風景はほんとに庭の中に風呂がある感じ。ちょうど僕らの部屋の真下にあたっていたようで、そういえば蒸気みたいなのが下から上がっていたのは、露天風呂の湯気だったんだなあと後で気がつきました。ちょっと出遅れてしまったので残念でしたが、着いてすぐいっていれば雪の降る中入れたことでしょう。ちなみに、雪景色を見てさすが雪国、と思ったのは雪国育ちでないためで、宿の人に言わせれば今年はまだ雪が少ないんだそうです。

風呂から上がってゴロゴロしていると間もなく夕食の時間になります。
女性陣も風呂から帰還し、宿の中をいろいろ散策してきたらしい父親も戻ってきました。なかなか満足げです。僕は僕で、1階のエレベーターを降りたところにあるパンフレット置き場で、宿のパンフレットをもらってきて悦に入っておりました。

夕食は18時半からお願いしました。また違う仲居さんが配膳をしてくださいます。
あらやでは、基本的にお品書きも特にないようで、料理が運ばれてくるときに仲居さんが口頭で説明されます。ただ、なかなかここまで来られないですし、記念ということでできればお品書きをいただけないか、とお願いしてみたところ、チェックアウト時にいただくことができました。お心遣い感謝です。個人的な備忘ということでここにも書いておきたいと思います。

食前酒  引き盃にて
付出し  胡麻豆腐 雲丹 とんぶり 山葵
     五色膾  蟹身 干柿 海月 胡瓜 大根
酒 菜  加賀山海佳肴盛り
      サーモン蓮根巻き 菜種からし和え
      大根寿し 鯛の真子旨煮 鳥松風
お 椀  蟹真丈  柚子 人参 芽蕪
お造り  橋立港におまかせ
      甘海老 寒鰤 金八 赤烏賊 梅貝
蒸し物  加賀祝料理  鯛 唐蒸し
焼き物  のど黒 塩焼き  酢橘 菊蕪
強 肴  生ずわい蟹 炭火焼き  酢橘
揚げ物  鱈白子柚子釜  焼き葱 栗麩 柚子味噌
酢の物  香箱蟹  小坂蓮根 金時草 土佐酢ゼリー
御食事  鯛茶漬け  胡麻たれ 山葵  香の物
水菓子  抹茶アイス 林檎 でこぽん 五郎島金時の羊羹

いやあ、ほんとに料理すごかったです。最近は特にフル懐石なんて食べることがないので余計すごいと思いましたが、おそらくよく食べててもこのクオリティの高さには驚くんじゃないでしょうか。焼き蟹、鯛茶漬け、鯛にのど黒、そして五郎島金時というさつまいもの羊羹!忘れられないです。

また、食事のときに感激したのは料理だけじゃありませんでした。
途中で頼んでないのにお酒が出てきたんですね。聞けば、「本日はご両親の退職のお祝いと聞きましたもので…」とのこと。えっ、何も言ってないのになんで知ってるんだろう、と目を丸くする我々夫婦。なんとですね、JTBで予約したとき、帰り際のなにげない僕のひとことをおねーさんが拾って伝えてくれていたみたいなんですね(ずーっと上のほうを参照)。なんかもう、それがうれしくてですね、親にも言いました。申し訳ないけど、これは僕らが頼んでたんじゃなくて、旅行代理店の人の粋な計らいみたいなんだ、って。親も感激してくれていました。


食後はしばらくゆっくりしてから有栖川山荘にも行ってみました。ふむ、これはまた独特な空間。畳の二間がバーのような感じに改装されています。そして意外に人がいっぱい(笑)。ここは好きずきかなあ、という感じです。無理に行かなくても、バーがオープンしているときの建物の雰囲気とか、渡り廊下の感じを見ればそれで十分満足できそうなくらい雰囲気はよかったと思います。


パチッと目が覚めて2日目。
なんともうみんな起きていて、どうやら既にひと風呂浴びてきた様子です。聞けば、昨日の夜も入ったらしく、ぐーぐー寝ていたのは僕だけらしい。うむむ、なんか悔しい。
といっても、まだ7時半。朝食は8時半からお願いしたので、8時には準備に来られるのですが、よく考えてみれば始まるのは8時半。まだ1時間くらいはあるじゃないですか。僕も風呂行ってこよう、ということで、本日も瑠璃光。それにしても、日がよかったのか、みんな時間帯がぜんぜんズレているのか、風呂でほとんど人に会わない。そもそも、部屋も18室とこぢんまりしたお宿だからかなあとも思うのですが、おそらく平日でも結構な埋まりようのはずです。昨日の有栖川山荘にはそれなりに人がいましたからね。それでも、昨日の夕方はほとんど僕と父親だけ。今朝も数人には会ったものの、ほとんど貸し切り状態で入浴しました。

何回か入りましたが、ほんとに湯量が豊富な温泉というのは、浸かっていてうれしくなります。いい意味で貴重さを感じる必要がない。なんか家の風呂みたいに気兼ねなく浸かりまくっているけれど、ふと気づけばこんな大きな湯船に新鮮な温泉が満ち満ちている。こんなことにあらためて気づけば、そりゃうれしいですよね。いつも温泉とかにもこだわっていないつもりですが、やはりいい風呂、いい温泉に出会えた旅では、必ずそれが記憶に残っているもの。帰宅後、妻が珍しく「あらやのお風呂、今までで一番好きかも」と言ってました。たくさん湧いて、たっぷり浸かれる。さすがあらやです。

風呂上がりに朝はコーヒーが用意してあります、と聞いたのでこれも楽しみにしていました。湯上がりどころでカップに注ぎます。そのまま少し腰掛けてずずず、と。ラウンジとかがあれば、と一瞬頭をよぎりますが、これはこれでいいお茶タイムです。なにも、長時間過ごせなければコーヒー飲む意味がないわけではないですもんね。この「一服」を至福に感じつつ、部屋へ。さあ、朝ご飯です。

夕食の時と同じ仲居さんがもてなしてくださいます。朝食は部屋出し。メニューは和食のお膳です。湯豆腐あり、源泉で炊いたおかゆに温泉卵、もちろん焼き魚も。こちらはお品書きもお願いせず、メモにも取ってませんでしたので、この程度でご勘弁を(笑)。しかし、朝からしっかり食べました。いつもは和食があっても洋食を頼んでしまうので、ほんとに久しぶりの和食朝ご飯。しかもこんなにおいしいなんて。また食べ過ぎて少し困ったほどでした。
食後はお茶を淹れてくださって、お菓子が今度はきんつば。きんつばって中までパサパサだと思っていたのですが、いただいたのは小豆の寒天寄せとでもいうべきみずみずしい中味のもの。これ、かなり感動してしまって、宿の売店で買って帰りました。


時が経つのはほんとに早いもので、あっという間の1泊。でも11時までゆっくりできるので、雪雨が降る中、外にも出てみました。結局、天気が悪かったので古総湯にも総湯にも薬王院にも足湯にも、べにや無何有とか星野リゾート界加賀すら見にも行きませんでしたが、山代温泉の感じは結構好きだなあと思いました。雪の力は大きいのかもしれませんが、それでもぶらぶらしてみたい気分にとってもさせられます。ただ、こういうのは難しくて、結局何回行ってもなかなか宿から出がたいという幸せなジレンマに陥りがちです。こんなストレスなら毎日抱えてもいいと思うのですが。

さあ、ついにチェックアウトです。ほんとにお世話になりました。みんなで頭を下げて部屋を出ました。
あらや滔々庵はかなりレベルの高い宿だと思いました。いい老舗とはこうあるべき、というのを示し続けてきた宿なんでしょう。地味だとは思いますが、仲居さんたちの立ち居振る舞いも相当なレベルだと思います。人との接し方というのはほんとに個人差があるもので、それは超ボロい民宿でも超高級外資系ホテルの従業員をはるかに凌駕する人材がいたりするような世界です。そういった過不足のある個人的資質を大きな宿では教育でなんとかする、そんな感じでしょう。あらやは逆にこの人たちがこの旅館を作ってきたんだな、と感じました。特に心に残っているのは、食事の世話をしてくださった仲居さん。質問には丁寧に答えてくださいましたし、こちらが感心の声を上げると「ありがとうございます。うれしいです。」と素朴な言葉で受けて側の気持ちを伝えてくださいました。取り繕うとかうまくやるとか器用さとか、それはそれで必要な技術かもしれないですが、仕事を離れたひとときでまで出会いたいものではありません。あらやではテクニックを超えたもてなしをしていただいた、そんな風に思いました。そして、こんないいひとときを両親とともに過ごさせていただいたことを一番感謝しています。次にいつ行けるかは分かりませんが、僕らの大事な思い出の一泊になったことは間違いありません。


<2泊目>
さて、別れがたいあらや滔々庵を宿の車で出発。加賀温泉駅まで送ってもらいます。
昨日よりはマシな天候で、駅裏の加賀大観音も見えます。知らない人はびっくりしますが、僕は何回かこのあたりを通っているのと、宮田珠己『晴れた日は巨大仏を見に』(今は幻冬舎文庫)で読んだことがあるので知ってました。父親は「あれは由緒ある観音様なんか?」と聞いてきたのですが、大した観音様でもないのでちょっと説明しづらかったです。まあでもえてして、でかすぎるものとか不釣り合いなものってそんなもんですよね。
11時半すぎのサンダーバードで次は金沢駅へ。加賀温泉から金沢までは特急で20分ちょっとくらいの距離。ちょうどお昼頃には雪の降りしきる金沢に到着したのでありました。

金沢に着いたらとりあえずホテルに荷物を置かせてもらおう、ということで直行。といっても、不慣れな金沢。JRの改札を出て東口(もてなしドーム&鼓門があるほう)に進むと、地下に入るエスカレーターがあります。この降りた地下空間がこれまたなんにもなくて超広いのですが、それはさておき、ななめ右方向になんとなく進んでいくとホテル日航金沢が入っている商業ビル、ポルテにたどり着きます。
ポルテに入ってエスカレーターでひとつ上の階に上がり、あとは表示に沿って進んでいけばそこがホテル日航金沢のフロント階。僕らはさらに迷ってもう1階上まで行ってしまいましたが、ひとつ上がった階でOKです。

今回エースJTBプランにおけるホテル日航金沢の長所のひとつは、チェックイン&アウト時間です。なんと、13時チェックイン、13時チェックアウトという24時間ステイ。これは他の市内ホテルにはなかったことで、結果的に大いに救われることになります。
とはいえ、インの時間前であることはたしか。おそるおそるフロントに近づいていくと、ありがたいことにチェックインの手続き&部屋にインが可能とのこと。なかなか愛想のよいおねーさんが案内してくださり、無事部屋でひといきついたのでした。

ホテルなのでさすがに4人1室ということは不可能なため、両親と僕ら夫婦の2部屋に分かれました。
せっかくの高層階ですが、あいにくの天気であるためなにも見えません(笑)。昼ご飯ももう少しゆっくりでいいや、という感じなのでしばし室内をウロウロ。

実はホテル日航金沢に決めたのは完全な相対的評価でした。
JTBのパンフレットとにらめっこして、「ラグジュアリーホテル」の表記がある他の2つのホテルと比較。その結果、総合の点数が91点で1位であることと、朝食が一番よさそう(アンケート評価も86点で界隈では1位)であること、それに、香林坊周辺よりは駅周辺の方が結果的に機動的だと思ったため、ホテル日航金沢に決めたのです。いわば、スペックで決めたような感じでした。1泊朝食付きであれば値段はそう変わりませんし、ホテルの朝食は充実していればそれだけで満足度が高いからです。

というわけで、このホテルについてそれ以外の事前情報は何もなく。日航ならそう変なことにならないでしょう、という極めて消極的な期待をこめていたのですね。ところが、


これは思った以上にいいホテルだ!


中に入ってみてそう思いました。
なんていうんですかねえ、僕のウロウロしてみた第一感は「ムダなものがなくてとっても機能的」でした。我々が泊まったのはスーペリアフロアだったので、別に普通のフロアです。で、たぶん室内には何があって…という話をしてもそりゃあるでしょ、というような当たり前の設備ばかりなんですが、なぜか居心地がいい。後日、夫婦で話してみたのですが、なんか明るい部屋だったよね、という話に。人様の目に触れるべく書いているブログなのにこんな記述で申し訳ないですが、普通のいわゆるシティホテルの中でも居心地よさは結構抜群の部類に入るんではないかと。そう思いました。ま、ハイアットとかとはかかるお金の額が違うのでそのへんとの比較は難しいですけど。

さて、なんとなく落ち着いてしまった感もありますが、昼ご飯を食べに行かなければなりません。あと、翌日も天気が悪そうなので今日どこか見とくかという相談も。父親はひがし茶屋街とか兼六園に行きたい、僕らは21世紀美術館にも行きたい。相談の結果、兼六園とかは翌日行ってみることにして、今日は屋内で過ごせる美術館の方に行くことにしました。


というわけで、まずは昼ご飯です。事前に金沢出身の同僚からいい回転寿司屋を教えてもらっていたのでそこを目指します。場所は意外なことに駅前の大規模商業ビル、フォーラスのレストラン街。店の名は、もりもり寿司。行ってみると、結構時間をずらしているのにわりと並んでいます。30分くらい待ってようやく店内に入れました。

注文は基本的にタッチパネルで。いちいち職人さんを呼んだり、さび抜きと叫んだりしなくていいのでこっちのほうが楽でいいですね。肝心のネタですが、いやあ、これは美味かった。普段あまり魚とか食べないので、食べられるときはいっぱい食べたいのですが、それを「おいしい魚で」叶えてもらいました。もっと胃袋がでかかったらいいのにとちょっと悔しいくらいでした。

もうそろそろ夕方ですが、決めたので金沢21世紀美術館に向かいます。
駅前の巨大なバスターミナルから兼六園シャトルなるバスの乗り場を探して乗車。なんと今回の宿泊プランには1日フリー乗車券が人数分ついており、それを使用。この1日乗車券ですが、結構仕組みがおもしろくてですね、スクラッチカードなんですよね。そして使う年月日をあらかじめ削っておいてそれを降車時に見せるという。なかなかいい方式だなあと思いました。不正もできないし、その日の日付スタンプを押すような手間もないですもんね。

やはり人気スポットだからかバスはなかなかのにぎわい。でも座れてしまえば全然問題ありません。前にひとり旅できたときには、駅から21世紀美術館まで歩いて、途中尾山神社とか県庁とかいろいろ見て回ったもんですが、さすがに雪雨の降る金沢、長時間の無為な屋外散策は危険ってもんです。たぶん、最初の「広坂(しいのき迎賓館前)」バス停で降りれば道を渡るだけなんでしょうに、なんとなく渡らなくても済む折り返してきた「広坂(21世紀美術館前)」バス停で下車。バスから降りても雪が降ってたので、美術館の中へ急いで駆け込んだのでした。

僕は久々、ほかの3人は初めての金沢21世紀美術館。相変わらずすごい人気です。展覧会の中身でなくてこれだけ集客できるのはほんとにすごいことです。金沢21世紀美術館には無料ゾーンと有料ゾーンがあり、お金を払わなくても一定数の常設現代アートが鑑賞可能です。僕らも無料ゾーンのみで、二度ほど来ている僕が簡単に案内しました。一瞬、無料ゾーンの作品がどこにあるか忘れてしまったのですが、案内板からなんとか探し出し、ジェームズ・タレルの「オープン・ザ・スカイ」とかを見てもらったりしました。「オープン・ザ・スカイ」は天井が四角く切り抜かれた部屋で、開口部をキャンバスに見立てて空を見るというなかなか盲点をつく作品なのですが、この日は雨。あいにくの天気ではありますが、キャンバスから実際に水が落ちてくるような感覚にもとらわれました。作品についてちょっとだけ解説をすると、両親も少し目の色を変えてしばらく見入っていました。
もうひとつ、この美術館で有名な作品が「スイミング・プール」。レアンドロ・エルリッヒというこの人もちょっと不思議でおもしろい作品を作る人なのですが、無料ゾーンのプールの外からのぞき込むと、有料ゾーンで下から水面を見上げている人と目が合っちゃう、というなかなか不思議な体験をさせてもらえます(水自体、ほんとのプールみたいにいっぱい入っているわけじゃなくて、深さ数センチの水をとじこめたアクリル板を通して見ているだけなのですが)。この日は雨が降っていたので立ち入り禁止だったのですが、ほどなくして雨が止んだのを機にまた解放されていました。うまい具合に有料ゾーン側にも常に人がいて、家族3人も楽しんでいたようです。父親は連れてくるまで「21世紀美術館?ふーん?」みたいな感じだったのですが、もともと建築とかが好きな人だけにそれなりに興味をもったらしく、いろいろと写真を撮ってました。スイミング・プールも結構無邪気に見に行って楽しんでいたようで、あまり見ない姿だったので息子としてはうれしかったです。

帰る前にカフェレストランで大きなケーキセットをびっくりしながら食べて、ホテルに帰りました。夕飯はポルテの地下によさそうな飲み屋があったのでそこに行ってみたのですが、この休み中は成人式がひっきりなしに行われているらしく、そのあおりをうけてか満席。第二希望以下も満席。まあ、そんなにおなかも空いてないし、ということでまたフォーラスまで出張した挙げ句、「はーべすと」で普通に食べるという金沢らしからぬ食事になってしまいましたが、まあよいでしょう。翌朝の朝食時間の約束をして各室就寝と相成りました。2泊目終了。

<最終日>
さて、いよいよ最終日です。まずは朝食
ホテルでは、バイキングレストラン「ザ・ガーデンハウス」か日本料理「弁慶」のどちらかが選べます。昨日の朝が和食だったので、洋食も選べるレストランの方へ。

さすが成人式泊まりの人も多いのか、はたまた日曜だからか、なかなかのごったがえしぶりです。それでも待たされることはなく席に案内してもらい、朝食スタート。結構いろいろあるんですねー。和食もあるし、全然貧弱でないよいバイキングだと思います。パンもおいしいし、車麩のフレンチトーストといった地物アイデアメニューも。和食のほうにも人がいて、混ぜご飯を作ってくれたそうです。僕はわりと前日、前々日と食べ過ぎたので控えめになってしまいましたが、この朝食レベルならあんまり文句のつけようがないレベルだなというのはよく分かりました。

朝食後は13時チェックアウトという希有な条件を生かしてさっそく観光へ。とりあえずひがし茶屋街と兼六園です。

昨日、フリー乗車券を使い果たしてしまったので、本日は自腹。よくよく考えれば、昨日は目的地がひとつしかなかったんだからどちらかというと今日使えばよかったんではないかという反省点は認めます。でもまあしょうがないじゃないですか(笑)。ということで、1回につき100円をにぎりしめてバスに乗ります。ひがし茶屋街へは「城下まち金沢周遊」というレトロなミニバスしか行かないのでこれにはちょっと注意が必要です。「橋場町(交番前)」バス停で下車。適当に人の流れについて行くとすぐひがし茶屋街の乙な風景が眼前に現れたのでした。

それにしても、今回の旅、天候にだけは恵まれませんでした。ひがし茶屋街に着いて「おおー」とテンション上がったのもつかの間、すぐにパラパラと雨が降り出し、普通に傘ささないとダメなレベルまで到達。相合い傘×2でなんとか乗り切りました。ひがし茶屋街は意外なほどたくさんちいさなお店があって、それぞれいろんな商売を展開されてました。新しくお店を開ける場所になってるんでしょうね。若い人も結構いらっしゃったように思います。

また元のバス停に戻って今度は兼六園へ。「兼六園下(石川門向い)」で下車です。金沢城は石川門だけ遠くから眺めてよしとして、兼六園に踏み込みます。三名園のひとつ、後楽園擁する岡山出身者としてはほかの二名園はなんとなく気になってしまいます。
兼六園は一面の雪。意外に金沢は雪が降らないそうで、雪の積もった兼六園ってレアだそうです。へえー。夏来たときはなんのためにあるのかよく分からなかった雪吊りも、雪が実際に積もってみればその役割がよく分かります。
一番の人気スポットである池のほとりの灯籠のところは相変わらず人気ありましたが、別にそこだけじゃないんですよね。園内を貫くどこか無骨な感じ。至っておだやかかつやわらかい印象の岡山後楽園とは全然違う雰囲気。庭園というよりは城という印象が強いこの佇まい、父親は後楽園より気に入ったそうです。各自思い思いに見学を果たして、さあそろそろ帰る準備をしなければなりません。

チェックアウトには余裕をもってホテルに帰還。アウト13時とはなってましたが、こんなに有効に使えるとは思いませんでした。隠れた名ホテル、ホテル日航金沢さん、ありがとうございました。

チェックアウトしてしまうと、そろそろ両親は帰る時間です。今は改装工事中なのでありませんが、駅の百番街に和倉の名旅館、加賀屋が営むお食事処がありまして。昼食をそこでとって、おみやげを買ってバイバイ。加賀屋も落ち着いた感じのわりにリーズナブルでよかったです。両親も楽しく過ごせたようでそれがなにより。まだまだお返しにはほど遠いですが、親孝行のひとつは重ねられたかなと思ったのでした。


【次回宿泊に向けて】
・米原駅での乗り換えには必ず余裕を。
・冬の長距離移動は必ずリスクヘッジを(帰りに不慮の故障で電車が遅れて上越新幹線に乗換不能一歩手前だった)。
・観光計画がいきあたりばったりだったが、決めすぎるのもよくないか?
・複合施設に入居するホテルの場合、その施設内の飲食店を調べておくこと(意外によさそうな店がある)。
・またJTBのクーポンを使わなかった。

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