【データ】
訪問年月日 2016年9月忘日から1泊ずつ
宿泊プラン エースJTBフリープラン(ホテルアクティブ!山口は自社HPからカップルプランを予約)
1泊目 ホテルアクティブ!山口(15時チェックイン、10時チェックアウト)
2泊目 松田屋ホテル(15時チェックイン、10時半チェックアウト)
部屋タイプ ホテルアクティブ!山口 シングル/リニューアルルーム 禁煙
松田屋ホテル 新館和室12.5畳 基本料理
料 金 大人4名で\163,596
(プラン\129,600+おいでませ山口号\20,000+ホテルアクティブ!山口\13,996)
宿 H P
ホテルアクティブ!山口 松田屋ホテル【宿泊記録】
久しぶりに両親を連れて旅行に出かけることにしました。
行き先は二転三転し、最初は高千穂&黒川温泉、次に諏訪&金沢…といった感じだったのですが、何がどうなったのか比較的近場の山口に落ち着きました。検討した結果、諏訪&金沢っていうのはどうも旅行エリアの限界を超えるプランになりそうだというのだけは分かりました。なんか、フリープラン的には金沢側から諏訪に抜けるのは可能でもその逆は不可能のようで。僕らはできたら後で金沢に行きたかったのでちょっと今回は見送り。またいつかいいプランができるかもしれませんのでその時に。
山口は実はそれなりに家族の行きたかったところがありまして、父親は毛利博物館、妻は秋吉台・秋芳洞、僕は
YCAM(山口情報芸術センター)。母親はあまりどこに行きたいとか言わないタイプなので今回も黙ってついてきてくれることになりました。さあ、プラン検討です。
観光する場所はできればあまり広げないほうがいいので、前述したあたりをまとめるとざっくり「山口・防府エリア」+秋吉台ということになります。で、山口・防府はまあ最悪JRがあるのでいいとして、少し離れている秋吉台をどうするか。まずはレンタカーか公共交通かですね。
基本的姿勢として、あまり旅先で運転したくないというのがまず第一のワタクシ(笑)。去年ペーパードライバーを解禁し、山口あたりよりはよっぽど人口の多い街で暮らしているとはいえ、旅の一部でも気が抜けないポイントがあるというのは結構なストレスです(僕にはですよ)。結果的に今回は台風がほぼ直撃(最終的にはさほど影響なかった)だったため、マイカーとかレンタカーはやめておいてよかったと思ってます。てなわけで、自力運転のプランはなく、公共交通を選択しました。
さて、公共交通とはいえ、これまたいろいろと選択肢があります。
路線バス、タクシー、観光バス…何が一番楽かなあ…。引率する立場としてはそれが結構大事。気軽な観光バスなんかがあれば一番いいんだけど、と探してみるとありました、「
おいでませ山口号」。コースは2つあって、「
山口・秋芳洞・仙崎コース」なんてピッタリじゃないですか。入場料&昼食代は別で5,000円はそんなに安いとは思わないですけど、それでも瑠璃光寺と雪舟庭をかすめて浅い山口観光をし、カルストロードを通って秋芳洞も案内してくれる、頼んでないけど仙崎の金子みすゞ記念館なんていつの間にか日本海に出ちゃってますからね。走行距離を考えれば結構いいのかなと。引率者的にも乗っとけばバスガイドもついてるしラク極まりない。これはもう即決しました。
そして、なんといっても宿選び。まずは宿泊地の選定から(笑)。
山口の温泉といえば湯田温泉と長門湯本温泉が有名ということで、今回乗る観光バスはそのどちらにも止まります。なので、まあどっちでもいいのですが、よくよく考えれば観光バスで行く秋吉台の他の観光スポットは山口・防府エリア。だったら湯田温泉が便利だね、ということで宿泊地は湯田温泉に決定。最近はどちらかというと長門湯本のほうが話題ですよね。
星野リゾートが街の再生を受託したとか。それに
大谷山荘やその別邸の
音信なんて結構全国に知られる名宿らしいですし。ま、また機会があればあっちのほうにも行ってみたいです。今回は萩・津和野には行かなかったので。
それで、湯田温泉でどこに泊まるか。エースJTBのパンフレットでは5つ掲載。親と一緒に行くときはなるべくちょっといいとこに連れて行ってあげたいという思いがあるので、そう考えると松田屋ホテルか
古稀庵かという感じ。でも、家族旅行に全室露天風呂はいらないので、今回は松田屋ホテル。歴史のありそうな宿で庭園とかもあるので父親を放し飼いにしても大丈夫そうです(笑)。4名1室で2万超えてくるのでまあまあしますけどまあいいでしょう。さて、宿も決まって手配も完了。いざ、出発です。
新山口駅に着いたのは10時過ぎ。こだまで移動なんていつ以来でしょうか。近場とはいえ、まあまあの所要時間です。さすがに各駅停車は時間かかりますね。新山口駅は小ぢんまりした駅ですが、
最近駅が整備されたのかキレイになっているところも多かったです。県外ではなかなか買えない獺祭が駅の売店で普通に売ってたので妻が買いました(帰りにですけど)。
駅の新幹線口から出ればそこが「おいでませ山口号」のバス乗り場。出発の10時半にはまだ時間があるので、これまた新幹線口からほど近い本日の宿、ホテルアクティブ!山口へ。チェックイン前ですが、快く荷物を預かってくださいました。
さて、あらためてバス乗り場へ。今日は空港から乗る人がいなかったらしく、わりと早めにバスが来てました。バスガイドさんは超ベテランっぽいおねーさまです。安定のしゃべりに乗せてスタートしました。元々は20人くらい予約があったそうですが、台風直撃が濃厚だったため乗客は半分くらいになったとのこと。座席は2人がけですが1人で使ってください、と案内されました。大型バスを4分の1以下の埋まり具合で使いますので超ゆったりバス旅行です。ちなみにHPとかにはそれほど案内されてませんが、
おいでませパスポートをくれます。事前にわざわざ自分で入手する必要はありません。
このツアー、コースに沿って着々と案内してくれます。お昼を食べる都合で雪舟庭が先で後が瑠璃光寺。どうも後で調べたところによると、これまで昼食を食べることにしていた
長州苑というお店が店舗統合した関係で、お土産物屋併設の店舗が瑠璃光寺の方にしかなくなったみたいですね。我々のバスが瑠璃光寺に到着したとき、このお店の店長さんみたいな人が店の方から全力ダッシュしてきてみんなに土産の割引券を配ってました。たぶんバス会社とそういう契約になってるんでしょう。
ちなみに、雪舟庭はバスガイドさんが引率してくれて中での説明もしてくれます。拝観料必要。瑠璃光寺は自由見学ののちみんなで集まって先の長州苑にてお昼。そうそう、お昼の注文はなんとバスの中で聞かれます。えっ、メニューもないのにどうやって?という感じですが、要するにおすすめメニューがあるのです。おすすめはバスツアー客への特別メニュー、おひとり1,550円。おおお、まあまあするな…と思いますが、バスの中ではこれ以外のメニューだと時間かかっちゃうかも、と言われますのでみんなこれにしてました。まあ、実際に店に行ってみれば単品で頼んでもそんなことないでしょ、と思いますけど、いろいろスムーズなのでものすごく節約したいとか、瓦そばを見るのもイヤとかそんなことがないかぎりは協力してあげてもいいんじゃないでしょうか。その代わり土産は買わなかったけどな(笑)。ちなみにお品書きは限りなく「
維新御膳」というのに近かったと思います。結構なボリュームです。
この後は長距離ドライブで秋吉台・秋芳洞、果ては仙崎(日本海です)の金子みすゞ記念館へ。結局台風は少しずれて直撃という感じではなかったですが、天気がいいとは口が裂けても言えない(笑)。仙崎では地味に傘が壊れました。でもそんな中でもなんとか観光できる程度には「もった」と言えるでしょう。僕は秋芳洞は初めてだったのですが、中に流れている川はすごい水量で、これはこれで珍しかったらしいです。それにしても秋芳洞は天気悪くても人が多かったですねー。やっぱりメジャーな観光地なんですね。秋芳洞はバスガイドさんが中まで全部説明してくれたので安心でした。
金子みすゞ記念館を終えてからはあとは新山口までひたすら帰ってくるだけの行程。他のお客さんは萩とか湯田温泉で降りていったので最後はうちの家族だけでした。ガイドさんから松田屋ホテルはいいホテルだから明日泊まれるのはうらやましい、とのお言葉をいただき、下車。お世話になりました。
さあ、そして1泊目の宿、ホテルアクティブ!山口へ。
ほんとに駅からすぐで、ほぼ隣接でコンビニまである便利な立地。中もスタイリッシュな感じで古くさい印象は受けませんでした。とりあえずチェックインだけしてすぐ夕飯へ。ホテルアクティブ!の
1階にある回転寿司は食べログでとても人気のようです。ここでもいいかなと思ったのですが、結構待ってたりしてたので今回はパス。
駅の1階に軒を連ねているモンテローザ三兄弟みたいな居酒屋の中から1軒を選んで入店。結構おいしかったです。旅先で居酒屋というのも気軽でいいですね。
そのあとはまたホテルに戻って就寝。観光メインだったのでほぼ寝るだけのビジネスホテルにしましたが、
評論家の瀧澤氏が激賞するだけあってホテルアクティブ!のチェーンの力量を思い知らされました。まあロビーに無料の飲み物が置いてあるホテルはありますけど、各宿泊階にもコーヒー各種の飲み物を入れられる設備があるとはオドロキ。良く取り上げられる無料朝食は無料の域をはるかに超えてくるレベルです。たぶんこれより全然品数の少ないシティホテルなんてざらにあるんじゃないかなあ。パンだけでも結構種類がありましたし、びっくりしたのはデザートもヨーグルトだけとかじゃなくて、スイーツと呼べるものがいくつかありました。たしかに、パンにしてもデザートにしてもホテルメイドな品質のものではないというのは分かるんですよ?でも、やっぱり悩みながら選べるくらい品数があるというのがうれしいじゃないですか。一見して「全部は絶対に食べられない、どれか選ばないと」という選択肢の多さ。これが今回はひとり4,000円弱で可能になったわけです。しかもこれ、別にポイント利用でそうなったわけじゃなくて、ホテルのカップルプランの普通の値段ですからね。そりゃ人気になるわけですわ。感心!感激!さすが評論家が取り上げるほどのコスパです。
それにしても面白いのは、あんまり情報を出してないんですね、このホテル。とにかく行ってみるしかないというのも戦略ですね。そして自分から呼び込んでおいてちゃんと満足させる、と。かっこいいですね。
2日目は防府を観光してから電車で湯田温泉へ。昨日のバスツアーから幾度となく通っている湯田温泉ですが、駅から歩いても旅館街までは10分弱程度。駅には大きな白狐の像があり、道中の商店にもそれぞれの商売を表すようなものを手にした白狐がお出迎えです。そんな道をてくてく行くと、
狐のあしあとといういい感じの観光案内所&足湯&カフェ&ギャラリーがあり、そこから道を隔てた向かい側にひときわ茂った一角。それこそが松田屋ホテルだったのでした。
入口は狭き門、といった趣ですが、なんと車も入れるという。あー、こんな感じでマイカーを乗り付けてきてみたいなあと思ったりもするのですが、だいたい言ってるだけで自分ではやらない。今回も人間だけで入っていきました。
先に車で来たお客さんがいたのでちょっと待つかなと思ったのですが、こちらにも宿の人がやってきてくださって丁寧に案内してくれました。ここのお宿、入口から入ってくるとフロント裏の事務室から外が見えるようになっていて、やってきたお客さんをすぐ察してスタッフさんがちゃんと出てきてくれるのでした。普通、宿って入ったら自然にフロントの正面に出るとかで自然に出迎えられる仕組みになってますけど、ここのはひと手間かかってるというか、スタッフさんが能動的な感じでこっちを見つけてわざわざ出てきてくれるのがうれしく感じました。
ホテルは本館と新館があって、僕らは新館の最上階に。エースJTBでは新館和室10畳だと基本料金ですが、本館に泊まろうとすると一人当たりプラス1万くらいになるみたい。本館の方は建物が古いですが、300年ともなると逆にプレミアムなんでしょうね。それにお料理も少し違うみたいです。基本料理に和牛一品付いてます。僕らは新館の基本中の基本でしたが、やはり台風の影響か、新館でも少し広い12.5畳の部屋にアップグレードしてくださいました。ありがたいことです。
チェックインしてからは僕ら夫婦と両親でそれぞれ思い思いに過ごします。僕らは狐の足あとにあったカフェ&足湯に行ったり、なぜか本屋に行ったりしましたが、両親は松田屋の中の足湯や庭園に行ってみたらしいです。足湯では裕福そうなご夫婦に会い、長門湯本の大谷山荘を勧められたと言っていました。別邸音信がいい!と力説していたようです。さすが富裕層(笑)。
今回は珍しくお風呂にすべて入りました。というのも、松田屋にはお風呂が4つあって、うち2つが大浴場、残り2つが貸切風呂なのです。たぶん、名物は維新の湯という貸切風呂で、維新の志士たちもこれに浸かったと言われる歴史あるお風呂なんだそう。普段、貸切風呂なんて別料金もかかるし、予約もしないといけないしで絶対入らないのですが、松田屋はもっと気軽で、料金不要、予約不要、鍵が開いてれば入浴OK。カギだけよろしく、という方式。この日は平日ということもあったのか、もう何度目になるのか台風の影響か、仲居さん曰く「完全制覇の大チャンス」(父親談)ということでまんまと入浴できました。たしかに維新の湯は石造りの独特な風格が漂っている感じ。歴史ロマンを感じるとかあんまりそういうのはないほうなんですが、ここでじっと湯に浸かっていると「ははあ…」という気になりますね。あと、花粕の湯という大浴場は木造りでこれも好みのお風呂でした。
さあ、お待ちかねの夕食。まずはお品書きから。
食前酒
先 附 菊菜浸し
菊花 トンブリ 占地(しめじ)
鱧ゼリー寄せ
鮪時雨煮
前 菜 落子塩蒸し
鯛皮煎餅
枝豆塩蒸し
造 里 鯛重ね作り 車海老 中トロ
あしらい一式
吸 物 蟹満月豆腐
ミニオクラ うさぎ大根 占地
煮 物 海老飯蒸し
紅葉人参 いちょう丸十 つまみ法蓮草
お凌ぎ 維新瓦そば
焼 物 ローストビーフ
針野菜
強 肴 鱧鍋
玉葱 豆腐 京葱 榎木 三つ葉 人参
御 飯 鯛御飯
止め椀 袱紗仕立て
香の物 五種盛
果 物 梨 丸十ゼリー寄せ
甘 味 いとこ煮
季節のシャーベット(エースJTB特典)
夕食・朝食ともに部屋食。開始時間の30分前から仲居さんが準備を始めてくれます。結構ちゃんとお世話してくださいます。仲居さん曰く、「おいしいものをおなかいっぱい食べてほしい、が調理長の方針」とのことで、まー、ものすごい品数でした。正直食べきれなかった。9月の下旬ではありましたが、鱧がメインのお食事。なんと上品な…感激です。と、いろいろある中でも僕は海老飯蒸しと鯛御飯。鯛御飯はもうほんとなら食べられないくらいのおなか具合だったのですが、自発的に無理して食べちゃいました(笑)。
ちなみにここの調理長は、昔「料理の鉄人」に出たことのあるくらいの人で、現在、日本旅館協会から、
日本料理指南役(日本で9人しかいない!)を仰せつかっている凄い人らしいです。
おいしいものをおなかいっぱい詰め込ませてもらい、幸せな気持ちでゲフーとなってたらそのまま就寝。ごちそうさまでした。
朝は朝風呂に行って風呂コンプリート(足湯以外)。結局大浴場も自分が浸かっている間はほぼ貸し切り状態でした。ラッキー。
そしてまた部屋食での朝食です。朝食が部屋食って今や珍しいかもしれませんね。
朝食はお膳です。フグの一夜干しを炙って食べるのが趣向。ごはんもおひつで持ってきてくださり、食べ放題ですが朝からそんなには食べられません。お品書きがないのであまり覚えてないのが残念ですが、なんの不満があろう、という和朝食でした。
チェックアウトは10時過ぎに。チェックアウト後も湯田温泉近辺で観光して帰ったので、それまで荷物を預かってもらいました。荷物を取りに来た時も同じようにきちんと出迎えてくださって最後まで感激でした。
さて、総括。
今回の旅では2軒のお宿に泊まりました。ひとつはこれまで泊まったことのなかった独立系地方ビジネスホテルチェーン(長いな)のホテルアクティブ!山口を体験。これはまた見聞を広めてもらったというか、百聞は一見に如かずというか、いいホテルと巡り合いました。広島や福岡にもあるそうなのでこれはぜひ行ってみたい。
それから松田屋ホテル。これはバスガイドさんのコメントからもひしひしと伝わってくるものがありましたが、やはり地域、それも県内有数の温泉地の顔、トップランナーであるという意識がいい方に出たとてもいいお宿だと思いました。接客がとにかく丁寧。まあ人によって当たりはずれがあるジャンルではあると思いますが、それでもフロントが暇な時間帯にエレベーターを使おうとロビーを通りかかると、必ず立ち上がって挨拶をしてくださる。エレベーターに乗り込んでチラッとフロントを振り返ると、ドアが閉まるまで頭を下げてくださっている。わー、いい旅館に泊まったな、と心が裕福になる気がします。非日常をひたすら追求するのもいいですが、たまにはおもてなしのプロにプロのおもてなしを存分に受けてみるというのもまた得難い旅の思い出になるのだな、と考えさせられた旅でした。
【次回宿泊に向けて】
・ホテルアクティブ!の宿泊者専用ラウンジをもっと使ってみたい。意外に重宝しそう。それから1階の回転ずしも行ってみたいな。
・YCAMで何かやってるときにまた行きたい。今回は何もやってなかった。
・秋吉台&秋芳洞だけ行きたいなら路線バスでもいいなと思った。バスツアーは移動距離が長いので、距離換算ではお得だけど時間はちょっとムダかも。
[1回]
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