【旅程表】
〇年月日
2011年10月忘日
〇宿泊
山荘無量塔(むらた)
〇スケジュール
?:? ホテル発
↓ (タクシー)
?:? 長崎駅着
08:49 長崎駅発
↓ (特急かもめ(白いかもめ?))
10:52 博多駅着
(昼食・お土産購入)
12:18 博多駅発
↓ (
特急ゆふいんの森)
14:41 由布院駅着
↓ (ホテル送迎)
15:00 宿着
〇食事等経費
昼食
長浜ナンバーワン 1,650
土産 明月堂博多デイトス2号店 7,140
買物 東急ハンズ博多店(財布購入) 10,500
【旅程表解説と振り返り】
チェックアウトは少し早めに今日は由布院に向かいます。今回の新婚旅行クライマックス、由布院御三家3連泊の始まりです。
全日空ホテルからタクシーに乗り込み、長崎駅へ。話の流れで運ちゃんに「いやあ、実は新婚旅行で…」というと、「そのくらい察してますよ」とニヤリとされました。さすが人物眼が肥えていらっしゃると恐れ入ってみました。
長崎駅からは特急白いかもめというやつに乗り込み、まずは博多駅を目指します。九州内は意外に電車の乗車時間が長いです。さすが北海道ほどではないにしろ、九州もでかいのです。博多には約2時間で到着。1時間半足らずでご飯も食べる予定です。
向かう電車の中で、博多で何食べるかのシミュレーションを行い、ラーメンストリート的なところで何かしらのラーメンを食べることに決定。混み具合とラーメンの種類でちょっと迷いましたが、「長浜ナンバーワン」というところで食べました。
そして、博多で観光もしないのにおみやげに「とおりもん」を購入。おみやげ配るときに若干説明に苦労しそうな気もしますが、銘菓は外せません。だっておいしいんだもの。
ついでに東急ハンズでおうちのお財布用のお財布を購入しました。めっちゃカラフルなやつです。今はこの初代が破れてしまいましたが、2台目もシリーズのもうちょっと落ち着いたカラフルなやつを購入しました。このころちょうど、共通の支出はプールしているおうちのお財布から、という話をしていて、物理的に「おうちのお財布」があったら分かりやすいなと言っていたのでした。別に旅先の博多、しかも東京にもある東急ハンズで買わなくてもよかったのですが、こういうものは「おっ」と思うものを見つけたら買っとくというのが鉄則(のような気がするの)です。
あわただしく食事&用事等を済ませ、ホームへ。「ゆふいんの森」号に乗り込み、今度こそ由布院方面へ向かいます。最近「ななつぼし」という最高級の特急が注目を浴びていますが、もともとJR九州は特徴のある特急列車を多数運行しており、この「ゆふいんの森」もそのひとつです。ただ、「ゆふいんの森」は行きも帰りも結構揺れがきつかったです。列車のスピードが速いからなのか、座席が車両の端のほうだったからなのか、それ以外に理由があるのかはわかりませんが、久々に電車内読書で少し酔いました。ちょうど疲れてたのかもしれません。
これまた電車でなかなかの長旅(約2時間半)を経て、由布院駅に到着です。この日はあいにくの雨ですが、宿からの送迎をお願いしてありました。ほどなくして宿の車が到着。宿は駅から少し離れているのでこれはありがたいです。いわゆる由布院温泉のエリアよりももう少し山の方に入る今夜の宿は…
無量塔、です。
由布院を牽引する玉の湯、亀の井別荘の二強にあとから追いついて御三家にしたというとんでもないお宿。もうほんとに新婚旅行ぐらいじゃないと絶対泊まれないでしょう。宿では『Discover Japan』の名宿特集にも出ていらっしゃった支配人さんが出迎えてくださいました。まあ、そんなこともあとで知った話で、妻はその人に空いたペットボトルを引き取ってもらっちゃいました。支配人にゴミを手渡ししたとはなかなか恐縮する話です(笑)。由布院駅に着いたのが14時半すぎでしたから、ほぼチェックイン開始の時間と同時に入ったことになります。やはりいい宿はいられる時間分めいっぱいいて味わいたいものです。
今回僕らがひそかに掲げていた目標として、「新婚旅行を全面に打ち出す」ということがありました。普段は記念日とかもなかなか恥ずかしくて言い出せないのですが、まあ新婚旅行くらいガツガツいってもいいんじゃないかということで。とはいっても、JTBの予約時に新婚旅行である旨伝えたり、自分で予約した宿の連絡事項欄に「新婚旅行で伺います。宿泊を楽しみにしております。」と書くといったことくらいです。別にだからといって何かしてもらいたいわけではなく、書いてみたらなんか普段と変わるのかなという「やってみた」感じのほうが強かったです。
そんな新婚旅行対応の調査結果ですが、無量塔ではいろいろとお気遣いいただきました。部屋の変更とか夕食時のケーキとかそのあたりも恐縮したのですが、プレゼント系より一番驚いたことがありました。
それはチェックインの時のこと。手続きを済ませて、部屋に案内される途中、掃除をしていた年輩のスタッフの方と行きあいました。するとその方は掃除の手を止めて、
「このたびはおめでとうございます」
とおっしゃったのです。
これは驚いた。すげー宿だと実感しました。他の宿でもいろいろとお気遣いいただいたりしたのですが、これに勝るものはなかったです。実は個人的には宿のサービスとかホスピタリティというものはどうしても個人差があると思うので、あまり期待しないことにしています。でも、この声かけは最強ですよね。受け取る側は悪意にとりようがない。一方、声をかける側は大変だと思いました。「それ」と知らなければ声もかけられないし、もし間違っていたらエライことになる。その上で声を発してくださったその勇気がとてもうれしかったです。
無量塔での宿泊で僕らはいろいろと学んだ気がします。何を?「いい宿に泊まる」ということをです。
おそらく無量塔で我々が経験したことは、現在の日本における宿の最高峰といっていいと思ってます。
とてもいい感じのものをたくさん置いているショップ。おしゃれで長居も可能なライブラリー。聞きしに勝るTan's Barはすごいスピーカーだったし、宿泊者は何百円とかの値段でお酒が飲める。夕食は部屋食でそれまで泊まったどこの宿よりもおいしかったし、料理のレシピももらえちゃう。風呂は各部屋に温泉が引かれていて、掛け流し。ほとんど文句のつけようがありません。
ただ、一方で僕らはこんないい宿でどう過ごすか?ということを考えました。なーんにも考えずに宿にお任せでも十分に充実した滞在になることは間違いない。でも、すべて揃っているけど、僕らにはこれは省いてもいいかなということはあります。無量塔で思ったのは、今までうれしかった部屋食はほんとにうれしいのか?ということだったり、食事に2時間以上かける過ごし方は自分たちに合っているんだろうかということだったり。
別に余計なことを考えずに身を任せておけばいいじゃない、という話も当然あります。でも、僕はこの無量塔というまさに最高峰の宿を前にして、「いい宿にどう泊まるか」を工夫したいなと思ったのです。
「高い授業料」という言葉があります。やってみて少し痛い目にあって何か学ぶ、という意味でよく使われるかと思います。決して痛い目にあったわけではありませんが、無量塔での宿泊体験はいい宿を知るための授業みたいなものでした。そして初めて、よく言われる「最高を知れ」ということを知ったように思いました。ここに泊まる前と後では宿に対する考え方が変わったように思います。そして、それは決して後悔などまったく含んでいなくて、純粋なよい経験でした。
なんだか大げさになってしまいました。みんながみんなこんな風に思うかというとそんなことは絶対ないでしょうが、無量塔に泊まってみていろいろ余計なことを考えてみるというのも素敵な過ごし方だと思うのです。それだけ言うのにだいぶ長くなりました。さて次は5日目、亀の井別荘です。
写真はこちらです。
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