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いい宿求めてウロウロします。してます。

星のや軽井沢②

【データ】
訪問年月日 2015年2月忘日から2泊
宿泊プラン 【ホームページ限定・早割】120日前優待(食事別)
      (15時チェックイン、12時チェックアウト)
部屋タイプ 山路地の部屋 一階 ダブル 39㎡ 定員2名
料   金 大人2名で76,773円
      (宿泊料金50,400+嘉助朝食8,316+ルームサービス18,057)
宿 H P 


【宿泊記録】

星野リゾート系のお宿って、まだ星のや軽井沢と星のや京都しか行ったことないのですが、また行きたいと思ったのは星のや軽井沢のほうでした。前回行ったのが2012年の秋。気付けば丸2年が経過しています。でも、あの時感じた過ごし方の幅広さととてつもない快適さは本当に忘れられず、まさに「間違いがない」体験を求めて、再訪を決意したのでした。

決意、と書いたのには理由がちゃんとありまして。今回はなるべく早く予約して、なるべく部屋代を抑えたいなと思ったのであります。最近はベストレート保証というのをいろんな宿泊予約サイトが謳っておりますが、星のやは自社サイトがまさにベストレートです。なかでも、いつからあるのかは分からないのですが、「【ホームページ限定・早割】120日前優待(食事別)」というプランが2泊程度の宿泊であればおそらく一番安く泊まれるプランのようだったのでこれに決めました。さて、ここで決意と書いた意味を明かしますが、このプラン、カード決済で「キャンセル不可: お取消料は、ご宿泊料の100%」なんですねー。もう死にもの狂いで日程調整ですよね(笑)。職場のスケジュール表に4か月前から書き込みました。

部屋のチョイスも少し迷ったのですが、結局これも一番安い山路地の部屋1階のダブルにしました。前回はたしか同じ山路地の部屋1階でも、少し広いリビング付きの部屋だったのですが、もう今回の主目的はとにかく「星のやに滞在する」ということだったので、だったらここは徹底的に宿泊代は底値で。その分前回は行けなかった嘉助にも行ってみたいし、ということでそんな方針。水波の部屋とかね、あこがれですけどね、まあそれが主目的になったらそっちに行くってことで。旅は目的に合わせて、が大原則です。

ちなみに、こういう「宿が目的地」的な旅って、行き帰りの交通費が高くつくもんです。いいお宿って別に交通手段と組み合わせなくても埋まるから、エースJTBだとかになかったりするんですよね。あと、今回みたいに宿単体で取った方がお得なプランがあったりとか。そんな感じで、今回も普通に長野新幹線取ろうと思って、えきねっとにログイン。すると、おお、そういえば、JR東日本エリアの新幹線は「えきねっとトクだ値」による割引が利くのでした。ちょっと出遅れてしまって10%割引のになっちゃいましたが、2週間前くらいまで予約すれば、ものによっては25%割引とかになるので結構浮くと思います。


さあ、いよいよ出発当日。
計画としては、お昼前に少し余裕をもって軽井沢に着いて、駅裏のプリンスショッピングプラザでゆっくりして、14時半の星のやシャトルバスに乗るという予定です。降り立った軽井沢は激寒。普通に新幹線に乗ってる時から雪が結構積もってました。前回秋に来た時も冗談でしょ、っていうくらい寒くて、冗談で持ってきたダウンをほんとに必要性から着ることになったくらいですから、これもまた順当でしょう。

お昼は味の街エリアにある「ソースかつ丼 明治亭」にて。すげえボリュームでしたが、おいしかったです。その後はアウトレットをひとめぐりしながら少し買い物。途中マジで凍えるんじゃないかと思いましたが、なんとかなりました。ブルックスブラザーズのシャツが安く買えたらいいなーと思って寄ってみたら、今まで見たことない、わりと袖丈がピッタリのやつがあって3枚も買ってしまいました。普通に買うと1枚12,000円とかするので、3枚で2万を大幅に切るのは相当お値打ちでした。


そんな感じで買い物だけでもほぼ満足してしまったところ、これから星のや軽井沢に向かいます。なんと幸せな…。時間より少し前にバス停に行くと、バス停横付けではなく少し向こうのスペースに星野リゾート系のお宿の名前が複数書かれたバスが。あれ、黒塗りのバスじゃないのかなあ…と思いつつ近づいていくと、やっぱりそれが星のやのシャトルバスで、すぐ乗せてくださいました。前回の訪問記録を読むと、シャトルバスの車内で小菓子とおしぼりが出たようですが、今回はなし。若干星のやにしては不慣れな感じのおねーさんスタッフさんがバスガイド風のアナウンスをしてくれつつ、集いの館に到着したのでありました。

同時に4組くらい到着したと思いますが、それぞれ分かれたスペースに案内されてウェルカムドリンクをいただきます。謎の楽器演奏をしばらく聴くともなしに聴いていたのですが、相変わらず不思議です。ウェルカムドリンクは温めたリンゴジュースに柚子の風味を加えたものだそうです。なかなかじんわりおいしかったです。

担当のスタッフさんが決まって、部屋まで徒歩でご案内。今回の部屋は星のやの大浴場、メディテイションバスに一番近い部屋でした。おお、これは行きやすくていい。前回は夜中、真っ暗な中を懐中電灯を頼りにわりと長いこと歩いて行ったので、今回はだいぶ気軽に行けます。部屋ではいろいろとセッティングをしていただき、チェックインの手続きもしつつ、星のや軽井沢の案内図「谷の集落絵図」を使って説明もいただきます。あー、わくわくする。これから48時間には少し満たないけど、最高に贅沢な休暇が始まります。


ひととおり部屋の中を探索したら、まずトンボの湯に出かけます。なんで外来の人もいる普通の時間に行くんだよ、という話もありますが(トンボの湯は朝8時半から1時間半、星のや軽井沢宿泊者専用時間があります)、なんかですね、軽井沢温泉の大浴場っていうとトンボの湯のほうが風情があるんですよね。風呂!って感じ。温泉!って感じ。日曜の夕方なので目いっぱい遊んで帰る人たちが最後にひとっ風呂浴びて生き返るところに立ち会うような感じで、結構にぎやかで落ち着かないのですが、そこは風呂重視で。内湯の底があんなに深さに差があったっけ、と少々びっくりしたのですが、露天風呂ではまさに湯が湧き出しているあったかいところを確保できたので、かなりいい長湯ができました。妻より長かったくらい。昨年末にひとりで四万温泉に行って温泉三昧をして以来、よりお風呂が好きになったような気がします。

ハングリースポットで待ち合わせて、また星のやに戻ります。さっき書かなかったですけど、星のやとトンボの湯の間の散策路はもう完全に雪に埋もれています。かろうじて歩く道が確保されている感じ。でも、アイスバーンになるほど踏み固められてはいなくて、サクサク感が残っています。こういうところが普通の街の道とはまた違う感じで、リゾートに来たな!という気分を増幅してくれます。
星のやに戻ったら、今度はまたフロントとかライブラリーラウンジとか嘉助がある集いの館に。この期間中は16時からしばらくの時間、「谷のひととき」ということで、ぜんざいが振る舞われているのです(何か飲み物があった気がするのですが忘れました)。ライブラリーラウンジに入ると、セルフ飲み物コーナーの一角でスタッフさんが餅を炙っておいでです。かぼちゃのお餅だそうで、ぜんざいに浮かんでおりました。某横綱ではないですが、「あったまる…」とこれまたじんわりと楽しませていただきました。これが無料ってすごいなー。


ライブラリーラウンジには今回も結構滞在しました。前回ほどではなかったですけど。妻には読みたかった本がわりと揃っていたようで、熱中して読んでおりました。僕は読んでいなかった雑誌を持って行って読んだり、備え付けの地方新聞を読んだり、転職先に事前提出する課題の課題テキストを読んだりしてました。地方新聞はその土地土地で違った雰囲気があるので、旅先の楽しみのひとつです。長野の地方新聞のスポーツ欄があんなにスケート競技一色だとは知りませんでした。

お昼を食べ過ぎたからか、なかなかおなかが空きませんでしたが、ラストオーダーぎりぎりに夕食を注文。嘉助での夕食は結構勇気が要りますが、ルームサービスならもう少しお手頃。嘉助夕食膳と牛肉の炭火焼御膳をひとつずつお願いしました。献立はメニューに書いてあるそのままを載せておくと…

<嘉助夕食膳>
先付
お造り
焼き物
味噌シチュー
御飯
香の物
吸い物
デザート

<牛肉の炭火焼御膳>
先付
牛肉炭火焼
サラダ
御飯
香の物
吸い物
デザート

とこんな感じ。嘉助膳のほうは焼き物は魚の西京焼きみたいな感じで、味噌シチューではなく和風のふろふき大根系の何かだったような気がしますが、よく覚えておりません(笑)。ただ、何が驚いたって、あんまり好きではないはずの先付のおひたしがむちゃくちゃおいしかったこと。嫌いな野菜がこんな風に料理されるとは…そこが一番の感動ポイントでした。ちなみに、星のやのインルームダイニングはなかなかボリュームがあり、御飯はおかわりが結構いっぱい食べられるくらいおひつで来ます。そもそも小食気味な我々にはこれで大満足です。

初日はメディテイションバスには行かず。その代わり、部屋のお風呂に入りました。前回来たときはたしかリンゴが置いてあって、リンゴ湯にしましたが、今回はかりん。甘いいい香りがしました。


2日目。
いつもの休日の朝のように、僕がコーヒーを淹れて妻を起こします。いつもと違うのは、そのコーヒーの淹れ方が、ペーパードリップじゃなくて、フレンチプレス式ということ。おおー、初めて使うなあフレンチプレス。興味はあったのですが、なかなか器具買うってのも大変なのでこんな旅先で実演できるとはうれしい限りです。コーヒーの袋に書いてあるとおり粉を入れてお湯を注いで…決められた時間待ったら静かにプレスの部分を押し下げていくだけ。簡単だなあ。でも、洗うのが大変そう。なかなか家では難しそうです。

さて、メディテイションバスはとっても夜っぽいお風呂なんですけど、今回は朝入ってみよう、ということで、7時すぎくらいに行ってみました。夜行くとどこか入口だか危うく分からないくらいなのですが、朝ならそんな心配は無用です。メディテイションバスがある場所は、谷の集落星のや軽井沢の中でも高台に当たります。眺めもいいし、寒いけど朝っぽい。いよいよ、朝風呂です。

メディテイションバスに入ると…なんと誰もいない!これは!貸切かあ!と朝からテンションが上がってしまいます。誰も来ないうちに…となぜか急ぎめでお風呂場へ。ドバドバとお湯が注ぎ込まれる湯船に入り、そのまま入口をくぐればそこが光の部屋です。あー、やっぱり日中の方が光の部屋って感じです。明るい。そして、気になる闇の部屋。前回、見知らぬ者同士牽制し合った挙句、新参者に先を越される屈辱(?)を味わったあの闇の部屋です。ここは、先に入って、最悪でも後から来る人を待ち受けなければ!と意味不明のモチベーションで迷いなく突っ込みました。


…く、暗い。


おいおい、こんなに暗かったっけ?そしてこんなに広かったでしたっけ?と思うほど指先は壁をとらえません。なんとか、ようやく壁を探し当て、腰かけられるところをまた探し…ほっ、座った。よりによって一番隅っこです。ひとりなのに。そしてだんだんと暗闇に慣れてくる目。慣れてしまえば、なんだ、かすかに明かりも水中にあるんだねと分かってきます。翌朝もう一度来たときは片目をつぶって入ってみたら、早く目が慣れました。ぜひお試しを(笑)。

そんな感じで闇の部屋に今回はしばらくいました。特に何をしてるわけでもないのですが、ぼーっとしてると俗世(職場)のことを思い出してきます。こういうのを物思いにふけるというんでしょう。取りとめもなく、予定、心配、想像、妄想、回想。お湯はぬるめなのでいつまででも入っていられますが、汗はよく出ます。いつの頃からか、ある一定ラインを超えると汗が頭から吹き出すようになりましたが、これはなんなんでしょうか。デトックスと思うしかありません。いや、デトックスです。宿のお風呂って、昔は「リラックスしなきゃ」というわけわかんない焦りみたいなのがありましたけど最近はようやくうまく浸かれるようになってきた気がします。うまくっていうか、普通に浸かれるようになったっていうか。その時の状態にもよるんでしょうけど、物思いにふけれてうれしかったです。

お風呂から出ると妻もちょうど出たところで、一緒に帰りました。そして、今日はついに嘉助で初めて御飯を食べるということで朝食に向かいます。嘉助の朝食は予約なしで行けるので楽でよいです。

注文したのは普通の和朝食。お品書きは以下のとおり。

季節野菜の豆乳鍋
出汁巻き卵
季節の鉢物
焼き魚
ご飯
香の物
お味噌汁
季節のデザート

これがまた普通においしいんですねー。野菜がおいしく食べられます。これはもう本当に調理によるもので、間違いございません。
前回はノーワンズレシピまで食べに行ったんですけど、今回はあっちが平日やってないのもあって、嘉助を試してみました。でも、これだけ満足しちゃったらもう嘉助の和朝食から離れられないなーと思いました。そばのガレットもおいしかったんですけどね。

職場のお世話になった人用に渡す挨拶状に使う写真を無理いって撮ってもらったらそのままハルニレテラスへ。前回はコーヒーも飲まずにちょっと後悔した丸山珈琲に行くのです。


また雪深い散策路を通ってハルニレテラスに到着。カフェ&ブックス 丸山珈琲に直行です。妻は「ホンジュラス ディカフェ」、僕は「バレンタインブレンド」を注文。店内の本を見たり、コーヒーの商品を見たりしつつ、妻は読書。僕はポメラで書き物をしようと取り出しました。さあ、電源をポチっと…



あれ、つかない。



どうやら電池切れのようで(笑)。あきらめても良かったのですが、数百メートル先にセブンイレブンがあるようなので行ってきました。ハルニレテラスを出て歩くというのも初体験だったのですが、歩いているとなんとなく結界から出たような気分になりました。そしてコンビニに着いて店内に入ったらもう「下界に戻った」気分になったのでした(笑)。

丸山珈琲には2時間ほどいて、軽いお昼用にベーカリー沢村でパンを調達。「軽井沢スープの旅」のスープをいただいて、ハングリースポットで湯上がりプリンを食べていったん帰宅(とあえて言おう)。それからごろごろして、またトンボの湯に行きました。湯の花がものすごい量舞ってました。


この日の夕食は村民食堂で。最初は僕らだけだったのですが、後から中国人の団体客がたくさんやってきて、しまいには店員さんと僕ら以外はみんな中国人になりました。この方々、同じ日にチェックインしたのですが、全員そろって嘉助で夕食くってたりしてたんで、その財力にはほんと驚くばかりです。我々はサーモンのお刺身とそれぞれ定食、ビールの飲み比べセットをいただいて満腹。近くて申し訳なかったのですが、もう暗かったので星のやから迎えに来てもらいました。車中での会話もそつなく。若いのにすごいなーと思いました。


3日目。
朝は前日にルームサービスの朝食を予約していたのでそれを。和食と洋食をひとつずつ頼んで分け合いました。これがまた結構量があるんですよ。お昼も半分食べたみたいな感じでした。洋食は卵料理が選べて、コーヒーも結構たっぷりついてきます。それより、ルームサービスのときにスタッフの方がものすごい大荷物で来るのですが、あの一式の中は一体どうなっているんでしょうか。たぶんほとんど盛り付けられた状態で来てると思うんですよね。片付けのときにちょっと覗いてみましたが、結局よく分かりませんでした。まさにブラックボックスです(笑)。

早めに精算をして、あとはのんびり。おみやげに星のやロゴマーク入りのどら焼きを買いました。ものすごくおいしかったけど、なんでどら焼きなんでしょうか。今回もありがとうございました。




【次回宿泊に向けて】

・次はブレストンコートのラウンジでお茶してみたい。
・3泊以上したらもう帰ってこられないんじゃないかという危惧。

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星野リゾート・リート投資法人の株主優待制度

新聞を読んでいたら、標題の件が記事になっていました。なんでも星野リゾートが運営する宿泊施設の宿泊優待券が株主優待でプレゼントされるらしい。程度によっては投資を?と少し調べてみました。

対象になるのは6施設。星のやだと軽井沢だけ。あとはリゾナーレ八ヶ岳と界ブランドから4つ(松本・出雲・伊東・箱根)ですって。

そして気になる割引額は優待券1枚で2000円。1口1枚で、1人最大10枚まで。500万とか投資して2万かあ…株主優待ってあまり割を求めるものではないんだなと、検討するたびに思います。

詳細情報はこちらをご参照ください。




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星のや軽井沢

【データ】
訪問年月日 2012年10月某日から2泊  1部屋
宿泊プラン 90日前優待<連泊>
      (チェックイン15時 チェックアウト12時 食事なし)
部屋タイプ 山路地の部屋  一階
料   金 大人2名で91,190円
      (プラン料金84,000、2日目朝食6,820、ミニバー370)
ホームページ http://www.hoshinoyakaruizawa.com/
 
【宿泊記録】
 「そろそろ軽井沢にも行ってみる?」
 妻にそう声をかけ、そのまま一気に予約。念願の星のや軽井沢を予約してしまったのでありました。僕の愛読書である『一度は泊まりたい有名宿 覆面訪問記』にも2番目に登
場し当然の激賞、星野リゾートがあまりお好きでなさそうな柏井壽氏ですら、渋々軽井沢は認めている風にも見えるほどの宿。星野リゾートのいわば本拠地に行けることになりました(ネット予約が普及して世の中のいろんな「敷居」が本当に低くなったと感じる)。
 
 事前の予約確認メールが送られてこなかったりして、少しドキドキはしましたが、メールやり取りしたりしてそのへんはOK。無事に出発当日を迎えました。「アド街ック天国」で特集を観た東京駅を満喫してから出かけよう!とも思ったのですが、絶対人多いし、結局テンション下がりそうなので、出発の日の朝餉はマクドナルドにて。しかし、そのあと結局東京駅で我慢できずにグランスタ・ダイニングの「東京炒飯」で持ち帰り炒飯をゲット。生フルーツジュースと一緒にそのへんで食べてしまいました。持ち帰りは熱々ではない(というか冷たいまま)ということに驚き(と多少のショック)を隠せませんでしたが、味は美味かったです。
 
 東京駅から長野新幹線に乗り、1時間ちょっと。軽井沢駅に降り立ちました。やはり東京よりは多少ひんやり。さて、なぜ15時からしかチェックインできないのに、昼ごろ駅に着いてしまったのかといえば、それはアホだから…ではなく、駅南側すぐのプリンスショッピングプラザを見学したかったから。前にひとり寂しく軽井沢のメルシャン美術館に来たときは、寂しすぎてショッピングプラザに立ち寄れなかったので、妻ともども今回初訪問であります。
 
 しかし、それにしても広い!もっとこう、ショッピングセンターのようなすべてが一棟になった大規模施設を思い描いていたのですが、高層でなくほぼ平屋造りの建物がエリアに分かれて点在する感じなんですね。意外。荷物も持ったままだったし、妻がストールを買ったくらいで買い物はほぼせず。でも、プリンスに泊まって、ショッピングプラザを満喫して…っていう過ごし方もいいなあと思いました。ここはここで十分リゾートになっているな、と。昼食は味の街にある「ろぐ亭」にて。なぜかブランド牛の焼肉定食が1000円台で実現している。すげー店だ、と夫婦で感動したのでありました。
 
 さて、14時30分のシャトルバス出発時刻が近づき、座れなかったら困るもんね、と少し早めに南口ロータリーのバス乗り場へ急ぐ我々。だって、シャトルバスってマイクロタクシーみたいなやつでしょ…と思ったら、下手すると街宣車にも見えないこともない黒塗りの巨大なバスが鎮座している。どう見ても星のやのマークがプリントされているので、見間違いではありません。これが満席になることなんてあるんだろうか。
 乗車する際に予約の確認を受け中へ。運転手さんが頃合いを見計らって温かいおしぼりと小菓子(落雁)をくださいました。これだけでもうなんか普通の宿と違う感じ。結局バスは半分くらいが埋まって出発したのでありました。意外だったのは、10人の団体客がいたこと。慶事ですかね。
ちなみにロータリーには他にもいろんなシャトルバスが。エクシブとか東急ハーヴェストとか、会員制リゾートマンションのバスは着くなり客でいっぱいになり走り去っていきました。やっぱり有名保養地なんですねえ。
 
 …南口から出発だけど結局線路の下を通って北側に進むんだ…急に外の風景が変わってきたぞ…あれがハルニレテラスかな…などと車窓を楽しんでいるとそのうち到着。自家用車でくる人は先にレセプションというところに行くようですが、我々は集いの館と呼ぶフロント&メインダイニング&ライブラリーラウンジのある星のや軽井沢の中心にいきなり降り立ちます。一斉に客が到着するので一斉にチェックインという訳にもいきません。でもなんかそれぞれ臨機応変なスタッフさん応対によりスマートに散っていきました。僕らも施設の案内などされつつ客室へ。集いの館から出ると、なんとほんとに集落のようで。短い橋を2つ渡って、歩いててくてくといきました。流れている水は水量が豊かで、音もいい感じ。夫婦ともども目を輝かせながら部屋へと向かったのでありました。
 
 宿帳記入などは部屋で。そして部屋に来るまではスマートな振りをしていましたが、星野エリア激寒。ユニクロのダウンジャケットを冗談で持ってきていたのですが、どちらかというとこれ着ないといずれ死ぬレベルで寒い。いやあよかったよかったということで、その後の外出は常にダウンで。星のやの客室には作務衣と外出用のフリースマントが用意されているのですが、結局着ませんでした。なのでどのくらい暖かいものなのか分かりません。でも、その姿で早朝気温7℃の中を歩いていた方々を見かけたので、たぶん防寒性は大丈夫なんでしょう。
 
 そうしてしばし部屋の中を探検。気が付いたらちょっと寝ていたりして、なんとなく夕暮れな感じに。まず散歩がてら風呂とかハルニレテラスとかまで行ってみるか、と外出。暗くなるのでというアドバイスももらったし、玄関の懐中電灯をお供に出かけます。懐中電灯持って外出するなんて実家レベルで暗いのかなあ。
 
 星のや軽井沢内をウロウロするには、チェックイン時にもらう「谷の集落絵図」が便利。朝・夜・昼とシチュエーションを分けて大体の施設やイベントが絵地図とともに載ってます。宿泊者だけでなく、誰もが入れるみんなのお風呂「トンボの湯」まではゆっくり歩いて5分くらい。そこからさらに渓流沿いの細道を5分ほどでハルニレテラスまでたどりつきます。ハルニレテラスは意外な賑わい。雑貨屋なんかもあって、また明日来ようとUターン。トンボの湯に入浴。人がたくさんでうるさいけど、それでも結構のんびりできる。旅先の風呂は大浴場でもなかなか落ち着かなくてゆっくりできなかったりするけど、久々にぼーっとできたのでありました。いろいろ思うとも考えるともつかないようなそんな何もしない感じ。これぞ休暇、であります。ちなみにトンボの湯は星のや宿泊客なら受付で部屋番号言うだけで無料。貸してくれるタオルセットが立派で感動。
 
 トンボの湯からでるともう真っ暗。携帯の電波が入ったり入らなかったりで少々ドキドキしながらも妻と連絡を取り合い、出口で落ち合いました。夕食とかは嘉助とかもっといいレストランに行くのもアリなんですが、別に食事が主目的じゃないし、そもそもそれほど量食べられない夫婦なのでトンボの湯向かいの村民食堂にて適当な定食を食べます。
 村民食堂はトンボの湯側から入ってすぐが「ハングリースポット」というカフェ。その奥が食堂です。食堂入ってすぐ右側にも席があったようだし、2階もありそうでしたが結局何だったのか分かりません。星のや敷地内では値段も手頃で敷居も低いためか大盛況。ちょっと並んじゃいました。
 
 しかし、個人的には村民食堂は惜しい残念スポットでした。個人的な感想としては、「もうちょっと美味いか安いかしたら最高」。それを聞いた妻は「全然ダメじゃん」と笑っていましたが、別にそれほどけなしているつもりもなく。ただ、トンカツとかはほんとに普通の食堂レベルで「和幸」や「さぼてん」などのチェーン店には素人目にも完敗。これはちょっと寂しい。一方、値段のほうですが、たしかにここを星のや敷地内と考えれば格段にリーズナブルだけど、単一の施設として見ればやはり割高感は否めない。言うほど安い単品メニューがたくさんあるわけではないし。
 ちなみに一番の残念ポイントは、「従業員」かなあ。どうしても星野リゾートには独特の機敏さを期待してしまいます。『星野リゾートの事件簿』にも載っていたし、おそらく星野リゾートの運営施設のひとつであろう村民食堂(別に今はそうでなければ諦めもつく。知らずに言ってます)。どうしてもハードル上げちゃうんだよなあ…。普通の人材であって欲しくない、そんなワガママ言わせてほしい(笑)。
 
 さて、今回一番長い時間を過ごした施設。それは、ライブラリーラウンジ。フリードリンクで寝転がりながら本がいつまでも読める夢のような場所であります。ライブラリーというと大体オーナーがこだわって選んじゃいました的な書斎感が出るものだけれど、星のや軽井沢のライブラリーは図書館感があってこれはこれでいい感じ。寝転べるベッドみたいなソファと椅子と机っぽいセットの2種類から好きな方に座ってそれぞれ思い思いに楽しみます。僕らは真ん中に位置する寝転び可能なほうを独占。10時間はここですごしたんじゃなかろうか。ライブラリーをほめつつも、読んだのは持っていった本。ちょっと疲れたらそのままウトウト。ちょっと飽きたら階下の嘉助で食事をしている富裕層を見学。また読書…の繰り返し。結局3冊くらい読んじゃいました。いい宿で読む浅田次郎『プリズンホテル』はこれまた格別で。
 
  トンボの湯の一方、星のやの風呂にも入らなければなりません。メディテイションバスです。この風呂、たぶん好き嫌い分かれます。ちなみにオススメの入浴法があるようなので、気になる方はそれを参考にして入ってみるのがいいんじゃないでしょうか。すいません、適当に入りました。
 風呂場に入ってひとつ穴をくぐると、おおー、薄暗い。ここが闇の湯かあ…と思ったところがまず光の湯です。このお湯、かなりぬるめ。長湯するにはいいかなと思います。じゃあ、闇の湯ってどこよ?と思って浴槽を見回すとですね、なんの水路なんだろう…と思う謎の通路がそのうち見えてきます。特に男性なんて星のやがどういうところか分からないまま嫁さんに予約取らされたみたいな人が多いんでしょう。みんな興味津々であります。しかし、みんな牽制し合ってなかなか水路の奥に進む人はいません。そこに空気読めない感じの新参者が光の湯に。何か嗅ぎ付けるものがあったのでしょう、いち早く水路を見つけ、あざ笑わんばかりに入っていってしまいます。あとに残された牽制し合って入れなかった男衆の共通の敗北感たるや。そのうち好奇心旺盛な男性はすぐ飽きたとみえて水路から無事に出てきました。そのあとに殺到する男衆。4人入って3人出てきて1人入って2人出てきて1人入って1人入って1人入って2人出てきて…さあ、中には何人いるでしょう?そのあともう1人がおそるおそる入っていって出てくる人と出会いがしらにビビって声をあげる…人間絵巻がおもしろすぎます。僕はというとそんなブームが過ぎて誰もいなくなったころ、ようやく腰を上げひとりで入ってゆきました。なんだかんだで暗くてちょっと怖い。しかも若干閉所恐怖症気味なので、5分もいなかったと思います。意味ない。
 風呂は女湯でもある一定の年齢層の方には不人気だったようです。湯上り処で焚いてあったお香はいい香りなので妻が買って帰りました。
 滞在期間中の朝食と昼食は1回ずつハルニレテラスにて。朝食は沢村というベーカリーで、昼食は希須林という中華料理屋でとりました。値段とレベルは、リゾート内施設と考えれば安め、市価よりは高め。レベルはそのへんの街中の店よりはやや高め、星のやの期待値としては普通か低め、という感じでしょうか。カフェ&ブックスとして出店している丸山珈琲なんかはもう少しうまく活用したかったなあ、と思いましたが、外来でハルニレテラスに来ている人とあれだけのライブラリーラウンジを擁する星のや宿泊者では、この施設への評価が割れても仕方ないでしょう。なかなか全体のバランスとしては扱いの難しい施設だなと感じました。
 記述があちこちバラバラになっちゃいますが、最後の日の朝食はせっかくなのでホテルブレストンコートのノーワンズレシピというレストランへ。好きな時間にフロントに行けば送っていってくれます。
 こちらの朝食のメインは、ブルターニュ風クレープ(そば粉のガレット)だそうで、そのほかはまあビュッフェ形式で好きなものを取ってきて食べる感じです。正しくはタパススタイルというらしい。ちなみに、ブレストンコートの近くには、軽井沢高原教会と石の教会 内村鑑三記念堂という2つの教会があります。どちらも超弩級に有名な挙式開場で、もう結婚式を済ませてしまった我々にはほぼ関係ないのですが、どちらも軽く見学してしまいました。平日でもどんどんやってるんですね。さすがだ。
 ノーワンズレシピの朝食はまあまあでした。とりあえず次回からはこっちまで朝食食べには送迎してもらわなくていいかなあというのが我々の評価。これも好みです。もっと普通のものをガッツリ食したい方には不向きかな、と。普通の「ホテルのビュッフェ」をイメージしていくとちょっと違うなと感じると思います。
 2泊もするから時間はたっぷりあるなあ…と思ってやってきたのも束の間、あっという間に時間は過ぎてチェックアウトのお時間に。ああ、帰りたくない。
 結局、いろいろと書き、不満が多いように感じるかもしれませんが、それも「星のや」だからこそ。他の宿ならこんなに言えるほどの余白が宿にも客にもありません。それはたぶん星野リゾートという会社の中でもそうで、「星のや軽井沢」だからこそ、と同義でしょう。滞在方法の自由度という点において、また、それをサポートする環境の整い方という点において、ここ以上の宿がこれ以上回ってもあるのかなあ…と思わずにはいられない、そんな宿でした。国内リゾートで立地依存のもの(沖縄とかね)以外の最高を探すのはもうやめてもいいかもしれません。ああ、すぐ帰ってきたい!
【次回宿泊に向けて】
・村民食堂がアレだと夕飯は駅前まで食べに出るのもアリかな、と
・「嘉助」の朝食はやっぱり一度食べておきたいな、と
・ルームサービスをうまく使いたい
・本読み過ぎたかも
 
【宿DB】
星のや軽井沢







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