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いい宿求めてウロウロします。してます。

ホテル鐘山苑②

【データ】
訪問年月日 2015年1月忘日から1泊
宿泊プラン エースJTB(優雅)の往復交通付きプラン
      (14時チェックイン、11時チェックアウト)
部屋タイプ 深山亭
料   金 大人4名で\108,000(1泊2食付きプラン料金・会社宿泊助成利用)
宿 H P 


【宿泊記録】

来年度から地元に帰って仕事をすることにしたので、その前に遊びにおいでよと両親を誘いました。で、せっかく来るなら、と夏に行って良かった鐘山苑にご招待することに。去年のあらや滔々庵以来の家族旅行です。

例によって、旅程表を作って事前渡しです。ヴィアインのときに書きましたけれど、この時期の早朝、道路凍結とか降雪とかのおそれが十分にあるので、チェックイン日の朝出発ではなく、岡山駅前のホテルに前泊してもらうことにしました。選んだのは三井ガーデンホテル岡山。一度妻と泊まったことがあって、その時は休日だったので朝食会場が混んでましたけど、今度はド平日。まず大丈夫でしょう。三井ガーデンはビジネスホテルにしてはデザインが落ち着いていて高級感があり、失敗のない印象。前泊だし、料金も気楽でいいでしょうということで選びました。予約はじゃらんから。関係あるのかないのか、「ミレニアム 三井ガーデンホテル 東京 開業記念プラン(朝食付)」というプランでした。

一方で、鐘山苑は2回目ですが、ただの2回目にする気はさらさらありません。何か新味を加えたいなーということで、検討したのが交通手段。狙うは…


フジサン特急の個室、です。


これ、1号あたり1室しかありません。しかも、最近(2014年夏)に導入された新型フジサン特急8000系にはもうこの個室はないという。結構レア個室です。

えっ、じゃあ早く予約しないと!と慌てて電話…ではなく、まずネット検索。どうやら保証はないものの、そんなにものすごく人気があるわけではなく、誰も乗らないまま走っていることも結構あるらしい。そこまで確認しておもむろに富士急コールセンター(0555‐73‐8181)に電話をしました。

旅館の予約とJR特急はJTBのプラン込みで予約していたので、だいたいそれに接続するフジサン特急を取るしかありません。行きはその時間帯の号が新型車両だったので個室搭載ではなかったのですが、帰りは旧型だったため予約を打診。運よく空いていたのですぐさま予約しました。個室料金は1室1000円。定員は6名なので4人だと広々使えるはずです。ちなみに行きのフジサン特急の着席券も併せて購入。そんなに混みはしないと思うのですが、絶対座れるという安心感は家族旅行では何ものにも代えがたいです。

しかし、前にも書きましたけど、富士急さんのこのあやふやな電話予約(笑)。のどかでいいですけど、せめて着席券の予約くらいまではネットでできるようにしませんか、というか、たしか着席券の予約は2014夏はできてた気がするんですけど!なぜ退化する。そして、相変わらず特急券の事前発券が事実上不可能(JTBで発券可らしいですが、1枚あたり500円の発券手数料がかかるとかいうオハナシ)で、当日窓口で買うというこのシステム。さすがにそろそろなんとかしてほしい。休日は駅員さんも大変じゃないですか?


と、富士急さんの心配はそれくらいにして、両親の新幹線切符は「のぞみ早特往復きっぷ」で確保。東京行きの新幹線だったら、これがお得だと思います。時間の変更とかは利かないですけど、そのあたりは旅行商品だと割り切ってしまえば特に問題はありません。2泊3日の旅だったら「東京往復スーパー早特きっぷ」っていうやつがあって、こっちのほうが割引率は高いですが、今回は鐘山苑1泊と我々夫婦の家に2泊という3泊4日の旅でしたので、スーパーじゃない方を取りました。



さて、家族旅行当日。
合流は新宿発のかいじ車内にしようかと思ったのですが、やはり不安なので東京駅まで迎えに行くことに。待っている間に東京駅構内の巨大駅弁売り場「駅弁屋 祭」で昼食を調達します。父母からは事前に希望を聞いていたので、「30品目バランス弁当」と「東京弁当」を購入。僕は漬けの載った丼ものを買い、よく買う加熱式の仙台牛タン焼きのお弁当を買いました。新幹線の出口で少々迷ったらしく、ちょっと合流に手間取ったものの、なんとか無事合流。父母も元気でやってきました。新宿駅までは普通に中央線快速で行っていよいよ「かいじ」で甲斐路へ。

特急かいじで約60分。お弁当を速やかに食べてちょっとゆっくりしていればすぐ着いてしまいます。大月駅で下車。富士急に乗り換えてフジサン特急で約40分で最寄りの富士山駅。意外に近い旅です。この日は(結果的に次の日も)ものすごく晴れてまして、富士山がほんとによく、キレイに見えました。日本人はある程度年をとってくるとなんだか無性に富士山がありがたいような気がしてくるらしく、うちの両親もその例外ではありません。父親は写真を撮るのが好きなのでデジカメで車内から富士山を撮りまくっています。宿からはもっとよく見えるよーと言いかけるところを、これはこれで楽しそうなので邪魔はしないことにしました。富士山駅はなんだかんだで標高809m。激寒いので防寒はぬかりなく。

富士山駅で下車したらすぐさま宿に電話。駅まで無料送迎があるのです。都度連絡すれば10分くらいで迎えに来てくれます。ちょうどチェックイン時間の14時ごろに宿到着。大勢の従業員の方々が出迎えてくださいました。これは圧巻。


チェックイン手続きを終えたら速やかにお部屋にご案内。前回来たときは会社の福利厚生の一環で借り上げ施設として利用しましたが、今回はエースJTBの優雅で来てます。部屋もさすがの広さ。前回の細流亭3号館は10畳+4.5畳だったのに対し、今回の深山亭は12.5畳+4.5畳+2畳。やっぱり広い感じがします。ちょうど角部屋をあてがってくださったので、明るいし、富士山もこれでもかというほど見えます。父母も2回目の我々も同じようにテンション上がり気味。仲居さんのいれてくださったお茶や丁寧な館内案内もやや上の空で聞いたのでありました。ちなみにチェックイン時にお茶菓子として用意してあった「富士の紫」がおいしくて、お土産に買って帰ってしまいました。ホテルオリジナルらしいです。


部屋で少々落ち着いた後は、館内見学も兼ねて庭園茶室へ。わりと本格的な和菓子付きの抹茶サービスがいただけます。雰囲気が本格的な感じを醸し出しているので自然と背筋が伸びる感じ。和菓子は自分の分を取って次の人に回す方式で、やはり自分の箸の使い方が気になる。というか絶対おかしいので恥ずかしい(笑)。基本的なマナーは小さいころに身につけておくべきだったと今さら悔やむ瞬間です。いや、抹茶も和菓子もいただいて幸せなんですが。

お抹茶をいただいた後はその流れで庭園見学。茶室からもう少し奥へ進んでいくと、これまたこもれび庵という建物があって、この時期はあったかい甘酒をふるまってくれます。夏は野菜が水で冷やしてあって、食べられたりしたと思いますが、季節によって変わってますね。庭園内を流れる桂川は冬でも水量が豊富でいい感じです。

夏に来た時の庭園散策はここまでくらいだったんですが、奥庭園のほうへも行ってみました。すると、先客と遭遇。年配のご夫婦でしたが、ご主人のほうがなかなかお話好きのようで、いろいろと話してくださいました。どうもクラブツーリズムのツアーで鐘山苑に宿泊という企画に参加中のようで(日本最古の温泉旅館と言われる「西山温泉 慶雲館」とセットのツアーがあるみたい)、今回が3回目なんだそうです。この人はこの人で鐘山苑のファンのようで、語り部なんじゃないかというくらい説明してくれました。このご主人とはこのあとことあるごとに顔を合わせ、すっかり意気投合して今後のお付き合いまで…ということにはなってません(笑)。このあとことあるごとに顔を合わせまでがほんとです。

散策を終了した後はお風呂へ。
鐘山苑には浴場が3つありまして、「元湯」と「赤富士」と展望露天の「富士山」というのです。このうち「元湯」と「赤富士」はいつでも入れるんですが、最上階にある展望露天「富士山」だけは男女で夕方か午前中かで完全入替制になってます。この入替時間が毎月変わるんですが、1月は男性が夕方、女性が朝方だったんですねー。やっぱり鐘山苑に来たらこの展望露天だけは入った方がいいので、父親と2人で真っ先に向かいました。

で、さっきも書きましたが、富士山の麓とはいえ標高800mを超える地であります。夕方早い時間でもすでに外気温は0℃(笑)。翌朝、母親と妻が入りに行ったときはなんとマイナス11℃だったらしいです。死ねますよね。なので、用意されているという湯あみ着を期待して行ったら…あれ、バスタオルに見えるものしかない。。僕ひとりだといい加減なんで、たぶんこれが湯あみ着なんだろうなと勝手に納得して行っちゃいそうなんですが、父親は真面目なんでフロントに電話で問い合わせてくれました。結果、用意がまだだったみたいで、おお、鐘山苑さんにしては珍しい失敗だなあとこれはこれで興味深く観察しました。

ちなみに湯あみ着は湯に浸かるまでのアイテムで、湯に浸けちゃうと出たとき急速に「冷水を吸いに吸った吸水性のいい布」になってしまいます。浸けずに済ますか、浸けたらすぐ回収箇所に戻すかがおすすめです。
そして、展望ですが、もうこんなに富士山がキレイに大きく見えたことなんてこれまで生きてきた中では絶対になかったです。ほんとに幸運だったようで。今回行った時間帯はまあまあ空いていて、ご自分の富士山を振り回しているような方はいらっしゃいませんでした。


そして、待ちに待った夕食のお時間。今回もオープンキッチン式のダイニング(言葉合ってますかね?)、美厨(みくり)にて。気になるお品書きは以下のとおりです。


一、一杯のおもてなし
ソムリエオリジナル酒(何酒だったか忘れた)

一、宴の膳
花弁餅
海老芋の揚げ出し
フォアグラとみかんのブリオッシュ
ジャンボンフロマージュ
子持ち昆布 数の子
荏胡麻豆腐
じゃが芋のババロア
 ビーフコンソメジュレ 浅月

一、椀替わり
甲州地鶏と寒ブリの水炊き 甘露ポン酢

一、厳選素材
旬の美厨 厳選お造り

一、魚料理
サーモンとほうれん草のムース利休焼き
 トマトクーリー

一、肉料理
国産牛フィレポアレ
 コンソメロワイヤル ポルチーニの香り ジャポネソース

一、恵みの膳
蟹の炊き込みご飯
紅白 粕汁仕立て
香の物盛り合わせ

一、デザート
ピンクグレープフルーツゼリー
柚子クリームロール
抹茶アイス


美厨で給仕をしてくださったおねーさんは、前回もとてもよく気の利く人だったのですが、今回もまたよく気の回る人でした。ちゃんと会話もできる感じの人だったし、なにより出身が同じ地方ということで結構盛り上がりました。おねーさん曰く、こんなにキレイに見える日が続くのは麓にいても珍しいとのこと。運が良かったねーとここでも話したのでありました。
肝心のお料理もやっぱ普通にご馳走三昧です。この内容で不満がある人は相当なグルメな方なんでしょうけど、ちょっとハードル下げてもいいんじゃない?と言いたくなってしまいます(笑)。

ちなみに、「今日は何かの記念日なんですか?」とおねーさんに聞かれ、「一応、父の還暦のお祝いと言えなくもないんですが…」とあいまいな返答をした我々。すると、後で印傳の小銭入れをプレゼントでくださいました。あと、父のデザートに「おめでとう」が書かれたチョコのプレートを添えて…。なんかすごい対応が普通にできるところなんだなあとほんとに感心してしまいました。


食後は毎日開催されている従業員による霊峰太鼓を鑑賞し、ビンゴゲーム参加。夏は盆踊りやってましたけど、ビンゴの方がなんとなくうれしいですよね。1位は客室に置いてある枕だったそうで、2本幸運な方が持って帰られました。父はこういう時結構なんか当てる人で、そんなに順位が良かったわけじゃないですけど、ぶどうジュースをもらってきました。あとは全滅。夜はおなかいっぱいだし、眠いしぐっすり。今回は父親のいびきも気にならず穏やかに夜は更けていったのでした(笑)。



朝風呂に入ってから朝食。普通のプランだと10時チェックアウトだったりするのですが、今回は11時チェックアウト。ちなみにチェックイン時間も今回は1時間前倒しでした。さすがJTB優雅です。なので、朝はちょっとゆっくり目に朝食会場へ。バイキングだと思っていたら、あれ、お膳でした。ほんとはバイキングの方がよかったんですけど、そういえばそういうプランだったので仕方ありません。サラダとデザートはバイキング形式でした。あと飲み物も。内容はベーシックな和朝食で、品数は結構あったなあ。朝もお品書きがあればいいなと思うのですが、そういえばどこの宿に行ってもないですよね。僕も写真とか撮ったりしないので、忘れてしまいました…

チェックアウト後、ちょっと時間があったので富士山がキレイに見える駐車場で記念写真。送迎バスは駅までだけかと思ったら、浅間神社まで送ってくださいました。やっぱりリピーターが多いっていうだけあるなあ。そりゃまた来たくなりますよ。現に、今度は妻の両親を連れて3月に来ることになってます。


おまけの帰り道。
フジサン特急の個室は快適でした。ちょっと古い感じも、モニターのブラウン管な感じも、応接室っぽい感じも、全部ひっくるめて素敵。空調ないって書いてありましたけど、寒くもなかったです。これだったら何時間乗っててもいいなあと思いました。指定室券はちょっと記念きっぷみたいな仕上がりになっていて、コレクター趣味のない僕でも自然にとっておきたくなるアイテムです。発行駅のスタンプがいまだに「富士吉田」となっているのはご愛嬌。唯一の注意点は、窓口で指定室券出してもらうときは「指定室券」であることをしっかり伝えること。しばらく着席券と間違えられてました。あんまり乗る人いないのかな?



【次回宿泊に向けて】

・またラーメンコーナー行けなかった。でも、ラーメン行くために夕食を調整するなんて本末転倒だということも確信した。

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ホテル鐘山苑

【データ】
訪問年月日 2014年8月忘日から1泊
宿泊プラン 会社の福利厚生による施設借り上げ
      (15時チェックイン、10時チェックアウト)
部屋タイプ 細流亭3号館 7階客室
料   金 大人2名で36,020(1泊2食付き)
宿 H P 


【宿泊記録】

実家関係がいろいろと多忙だったりしてGWにはどこも行けず、その後も僕の入院や祖母の葬式、その他もろもろで、結局2月のハイアット箱根の次のお泊りは8月となってしまいました。

そもそも、今の仕事では夏の予定が合わない僕と妻。今年の夏もあんまり遠出は期待できないね、ということで、会社の福利厚生の一環、夏限定の施設借り上げに応募してみることに。すると、ビギナーズラックか、なかなかいい番号に当たり(番号順に申込みできるのです)、第1希望の鐘山苑が取れました。

しつこいくらいブログにも登場する僕の愛読書、『一度は泊まりたい有名宿覆面訪問記』に掲載されている宿です。なんだか、この本を特別意識しているわけではないのですが、気づくとこの本の掲載宿を予約しているというこの不思議な深層心理。いや、単純にあこがれの詰まった本なのでしょう。と、いうことで今回は、100室を超える大型旅館「ホテル鐘山苑」にGO!という我々夫婦にとってはちょっと珍しいチョイスとなりました。


出身は西日本のとある自治体なのですが、夫婦とももう東京に暮らして10年を超えています。それなのに、山梨県ってじつはあんまり遊びに行ったことがない。そして、富士山も新幹線からはよく見るけれど、それほど近くまで行ったことがない。そんな近隣自治体山梨県にあるホテル鐘山苑は、それこそ「富士山の見える温泉旅館」&「富士山温泉」を標榜するお宿。会社の借り上げだから安いのが最大のメリットで、プラン自体は大したことないんだろうなあ、とあまり期待はしていなかったのですが、「富士山を見る宿に泊まる」というのはまた違ったワクワク感があり、それなりに楽しみにしておりました。

まずは、アクセスなのですが、そもそもどうやっていくのか?調べてみると、JRと富士急を乗り継いで富士山駅まで行けば、そこから宿の無料送迎があるとのこと。さっそくJRの特急「かいじ」を予約しました。しかし、そこでハタと手が止まります。富士急ってどうやって乗るの??

まあ、とりあえずは富士急行のHPを開いてみます。意外にざっくりしたトップページに戸惑いながらも、「富士急行の交通を調べる」というリンクをポチっと。次のページでこれまたよく分からないながらも、「富士急行線」というリンクからさらに次のページに飛びます。別途乗り換え案内で調べたとおり、どうも「フジサン特急」というのが使い勝手がよさそうなので、そちらのページにまた飛びます。すると、「『フジサン特急』、観光電車『富士登山電車』はインターネットからご予約いただけます」との表示が。おお!やっぱり今はローカル鉄道会社も完全にネットをつかいこなしているんですなあ…となかば感嘆しながら、画面の表示に沿って予約完了。これで万…


…全??


お金はどうやって払うの?きっぷはどこでももらうの?どこの席がとれたの?


と立て続けに浮かんでくる疑問。いやー、これね、ちょっと分かりにくかったですよ、富士急さん。HPのこの辺りを見ればなんとなく分かってはくるんですが、パッとわからないです。このあたりは経験談をあとで参考に書いておきますのでご参考まで。


と、いうことで、当日を迎え、出発。
当初の計画だと余裕をもって家を出て、特急かいじに乗る立川駅でゆっくりおいしいお昼を食べてから出発!ということにしていたのですが、まさかの歯医者が長引くというハプニング発生。さらに予想外の麻酔までかけられるということで、あわただしく立川駅構内でテイクアウトものを買い込み乗車、というバタバタのスタートとなったのでした。

結局、きっぷはJRのえきねっとで行きのかいじとそれにまつわる大月までの乗車券だけを買って行きました。富士急はどうしようかと思ったのですが、事前のネット検索の結果、「フジサン特急着席整理券・指定室券のお受け取り、大月駅限定発売のおトクなきっぷ(フジサン特急フリーきっぷ等)をお求めのお客様は、窓口をご利用ください。」という記述を見つけたり、旅行代理店で富士急のきっぷを発券しようとすると手数料がかかる、というような話を見つけたので、事前には買いませんでした。一応、フジサン特急の予約をしていたので、その予約確認のメールをプリントアウトして持参。今になってよくよく見れば、メールに書いてある料金は、富士急の乗車券+特急券+着席整理券の総額なのでした。

JR特急かいじの乗車位置は偶然ですが、先頭車両でした。立川から40分ほどで大月駅に到着。乗り換えが混まないといいけど…と思いつつ降り立つと、なんと乗り換えに一番便利な位置だったことが判明。前に1人しか並んでいない窓口に悠々並び、窓口でフジサン特急の予約確認メールプリントアウト版を提示すると、速やかに発券・精算してくださいました。ラッキー。僕の後ろには続々と人が並び、さすが土曜日。そのままホームへと向かいましたが、そこでも自由席の2・3号車はえらい長い行列となっていました。そう、フジサン特急は3両編成で事前予約ができるのは1号車だけなのです。予約といっても、「席は必ずある」という約束がなされるだけなので、名称が「着席整理券」となってます。なので、我々も1号車の乗車口に普通に並んで、乗り込んでからどこに座るか決める、と。こういう流れになっているのです。

それにしても、1号車は快適でした。着席整理券は1人100円なのですが、100円で座れてしかも混雑なし&静かなんてオトクだと思いました。可能であればケチりどころではないような気がします。同じように思った人も多かったようであちこちの席からそんな会話が聞こえてきました。


さて、これまた40分ほどで大月から富士山駅に無事到着。さすがに標高800メートルレベルは涼しい。大月だって都心よりは涼しかったんでしょうが、レベルが違います。少し寒いくらいです。富士山駅には意外なことに駅ビルが付属しており、まさかここで「無印良品」という看板を見かけようとは!と少なからず驚いてしまいました。
時刻は14時30分。富士山駅から宿までは無料の送迎があるということなので、事前に控えておいた宿の番号に電話。改札を出て右手の出口、「豆の樹」という喫茶店の向かいあたりで待っておいてくれ、とのこと(こういうことはすべてHPに書いてあります)。しばらく待っていると、宿の車が到着。駅から宿までは車で10分くらいだったでしょうか。チェックイン時刻の15時ごろ到着したのでありました。


やや薄曇りで、富士山頂は雲隠れ。そんな時間帯でしたが、チェックインはとってもスピーディ。ピークの時間帯じゃなかったので、そんなに何十人のお出迎えという感じではありませんでしたが、各ご一行にすばやく仲居さんがアプローチして、名前を告げるやいなやすぐにロビーカウンターでチェックイン手続き。必要最小限の宿帳記入と夕食の時間決めだけさせる形ですぐにお部屋にご案内。部屋に行く途中の館内案内も必要最小限でした。

部屋に入るとお茶とお菓子の用意をいただき、落ち着いたところで仲居さんのご挨拶。ベテランの仲居さんのややドスの効いたご挨拶は迫力満点(?)で、ああ久しぶりにちゃんとした旅館に来たなあと実感。広い館内を詳しい案内図で詳細に説明いただきました。仲居さんが下がっていってようやくほっと一息。少しごろごろしてから1回目のお風呂に行きました。

お風呂は館内に3か所。あ、家族風呂は別途あるそうですが、我々には不要。屋上に展望露天風呂富士山というのがありまして、そこは男女入れ替わり制で、この日は18時半まで女性が入浴可、男性は翌朝入浴可、といった感じです。屋上のこのお風呂には洗い場がないということなので、先にどちらかの大浴場で洗ってから妻が行ってみることにしました。ということで、まずは2人で部屋から遠い方の元湯大浴場へ。

それにしても、広い館内です。そりゃまあ、敷地内に森を抱える星のや軽井沢とかと比べてはいけませんが、建物内がでかい。ロビーも広大で錦鯉まで泳いでるし、廊下も各方面にどこまでも広がっていっているような感じを受けます。帰り大丈夫かなあ…そんな不安もありつつお風呂に到着。元湯大浴場を楽しんだのでした。16時すぎくらいだったと思いますが、まだまだお客さんは少なく、結構独り占めの時間も多くてよかったです。内湯にも露天にも浸かってみましたが、露天は少しぬるかったので熱めの内湯のほうが好きかな、と。翌朝行ったもう一つの大浴場赤富士のほうがおそらく大浴場としてはメインで、湯上り処も広く、漬物サービスとか新聞が置いてあったりとか設備は充実。元湯のほうはもう少しシンプルでセルフな感じでした。
一方、屋上露天もよかったようで、妻は結構気に入って帰ってきました。風呂上がりに部屋に戻ってきたころには、富士山も頭をのぞかせ、ようやくお出ましといった感があります。鐘山苑の周辺は結構開けていて田んぼが目立つ盆地。僕は元々山育ちなので「鄙びた宿」とかは「実家と一緒じゃねーか」と思ったりすることも多いのですが、やはり「富士に抱かれた」という形容がぴったりのこのロケーション。これはただの田舎とか山風景ではないなあ、と実感したのでありました。


さて、鐘山苑のウリは温泉だけではありません。広大な庭園と充実した施設、それらを生かしたイベントも楽しみたいところです。ということで、まずは庭園へ。18時までは庭園茶室で抹茶がいただけ、さらに、冷たい甘酒サービスもあるというのです!

庭園茶室に行ってみると、おお、なかなかの賑わい。少し待つ感じでご案内されました。お抹茶の前にこれまた素敵な和菓子が供されます。差し出されたので箸で取ります。こんなときに箸の持ち方がおかしいと恥ずかしいのですが、このときだけ直すということもできず…。取り終わった!とほっとしようと思ったら、お隣に回していただけますか、と言われてピンと背筋が伸びます。お茶、ちゃんとしてますね。体験は雰囲気が大事です。
その流れで庭園の中のお休み処にも。こちらでは冷たい甘酒がいただけます。冷水にきゅうりも浮いていてそちらもいただけたようです。お休み処は敷地内を流れる渓流に面していてテラスのようになっています。ぼーっと水の流れを見ているだけでも落ち着くなあ…。

その後も庭園の中をぐるっと回ってみたのですが、足湯あり、プールあり、チャペルあり。もうなんかすごいです。売店も「売店」という響きから想像するよりずっと大きくて一通り見て回るだけでも結構かかるんじゃないでしょうか。そうこうしているうちにもう18時半。お待ちかねの夕食時間になりました。


夕食は「美厨(みくり)」という食事処で。
宿の食事は、以前は部屋出しのほうがありがたいと思っていましたが、プライベート空間に踏み込まれない分、食事処も楽でいいなと思い始めた今日この頃。美厨はとっても広い食事処で、真ん中にオープンキッチン。おそらくたくさんの方々が食事をされているんでしょうが、空間が十分なので全然周りが気になりません。さーて、今日の献立は…

一、一杯のおもてなし
ソムリエオリジナル酒(ゆず酒)

一、宴の膳
本日の和え物
ソフトシェルのビールフリッター
フォアグラとブルーベリーのブリオッシュ
アボカド寒天トマトクーリー バジルの香り
ジャンボンフロマージュ コルニション添え

一、椀
鱧梅肉新丈と洋野菜のコンソメ風仕立て 酢橘の香り

一、刺身
本日の厳選造里(鯛、鮪、カンパチ、甘海老)
あしらい一式 土佐醤油

一、魚料理
鮎の清流焼き 蓼バーニャカウダ
茗荷 スナックエンドウ

一、美厨名物
蝦夷鮑の踊り焼き 白ワイン風味
(香草バター、味噌バター、焦がし醤油バターからひとつ選ぶ)

一、肉料理
特選牛フィレ肉のロースト(オーストラリア)
おろしオニオンソース じゃがいもと豆のフラン

一、恵みの膳
小梅と鱧の炊き込みご飯
オクラとろろ 大和芋 生海苔 西京風味
香の物盛り合わせ

一、デザート
メロンカクテルゼリー


いやあ、おいしかったです。自遊人の方々とかグルメな方はいろいろと思うところもあるのでしょうが、もう我々には十分。鮑の踊り焼きなんて初めて食べました。個人的には椀ものと恵みの膳で出てきたお味噌汁(上記のオクラとろろ~西京風味までがそれです)は特に美味しくて印象に残りました。どれも出てくるたびに一瞬で食べてしまって、夫婦でおなかペコペコ感がすごかったんじゃないかと思います。
それから、料理以外のところでは、給仕をしてくださったおねーさんが印象に残りました。いやあ、よくできた人でした。我々の話にも付き合ってくださったし、それでいてまったく好感以外の印象を残さない給仕というのはなかなかできることではないのではないでしょうか(あれ、なんかまわりくどい言い方になった)。最後にアンケートを依頼されたのですが、「気持ちのいい接客をありがとうございました」と書かせていただきました。


夕食後は庭園のプールのところで、従業員の方による霊峰太鼓ショー。クオリティの高さもさることながら、花火まで打ちあがって超ド派手。毎日やっているらしいので、周辺住民の理解があるというのと、地域に受け入れられている宿だというのがよく分かります。妻が「このへんの働き口としてもだいぶ提供してるよね」といつになく鋭いことを言いました。そうだろうなあ、と素直にうなずき、そういう意味でもいい宿なんだろうなあ、と思いました。

部屋に戻ると布団も敷いてあって、おなかもいっぱいでバタンキュー。翌朝の早朝露天風呂も目論み、早く休んだのでありました。涼しかったのでエアコンいらずでしたねえ。


早朝はなんとか5時に起床。屋上露天の「富士山」は5時10分からなのでなんとか間に合いました。すると早朝にもかかわらずお年寄りを中心にもう7~8人はいらっしゃいました。早いなあ。露天の中はかけ湯があるくらいであとはすぐ湯船です。湯船は上段、中段、下段、という感じで分かれていて、僕は最初中段にいて、上段の人が減ってから上段のほうに移りました。上段は深さがあまりなく寝湯のようになっています。
さて、肝心の富士山ですが…


それはもう最高のお姿でした。
はっきりと晴れてくっきりとした雄姿が眼前に。これぞ日本一の山。


すごいなあ。ほんとに富士山と向かい合うお風呂、旅館の看板に偽りなしです。
ただ、あまりにも富士山が雄大なので、富士山をバックに自分の富士山を衆目にさらすという絵は結構危険です。通常、みなさんそれぞれにお持ちの(もちろん僕もですが)富士山については、浴場内では隠したり隠さなかったりとまあどっちでもという感じで、完全フリーな方も多いことでしょう。

しかし、この露天風呂ではちょっと危険。この日も知り合いとの会話に夢中で湯船の中で立ち上がり、みんなのほうを向いて富士山をバックに自分の富士山を開陳している方がいらっしゃいました。

そもそも、人間が敵わないから霊峰なのです。ホンモノの富士山をバックにしてしまうと、ご自分の富士山はどうしても矮小に映ってしまうのです。どちらかというと、自分一人で富士山同士を向い合せる方がまだ絵的にはよいでしょう。とりわけ、他人からするといたたまれない構図を見るのはとってもしのびない…って何の話ですか(笑)。下ネタすいません。


朝食は大きな会場でバイキング。そんなに貧弱でもなく、品数もまあまあ多かったのでよかったです。まさかオムレツまで作ってもらえるとは思いませんでした。
チェックアウトは早めですが、10時の設定。でも、早朝からお風呂が開いてて、自然と早起きできる仕組みになっているからそんなに「チェックアウト早いなあ」という気にはなりません。そんなところもとってもよくできている宿だと思いました。帰りも富士山駅まで送ってもらいます。出発していくたくさんのお客さんを順次仲居さんがきちんと見送る。昔の大型旅館という雰囲気がよく言われる鐘山苑ですが、やっぱりこれが「正統派」だよなと思いました。旅館ってこんな風にやれるところがあるんだな、と業界人ではないですけど、勉強させてもらった思いがしたのでした。


【次回宿泊に向けて】

・庭園をもう少しじっくり見学すればよかった。そういえば足湯にも入ってない。
・細流亭3号館の部屋でも十分広い!
・夜食にラーメン食べたかった。
・ロビーラウンジは雰囲気がよかった。次はここでコーヒー飲んでもいいな。


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