忍者ブログ

いい宿求めてウロウロします。してます。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ベネッセハウス⑤

【データ】
訪問年月日 2013年11月某日から2泊
宿泊プラン 特になし(15時チェックイン、11時チェックアウト)
部屋タイプ ビーチスイート
宿 H P

【宿泊記録】

「パチッ」

パークラウンジの音楽が止まり、電気が消えました。しーん。
ベネッセハウス滞在2日目の正午すぎのことです。よもやこれが全島停電に端を発した、長い停電の始まりとは夢にも思わなかったのでした。

☆ ☆ ☆
仕事柄、妻とまったく休みの合わなかった夏休みを無為に消化し、もうそろそろ夏休みの代わりのような休暇が欲しいなと思いそうな頃、予定を入れました。先日書いたサンライズ出雲・瀬戸で帰省し、お互いの実家に1泊ずつし、ベネッセハウスに2泊して帰る、というプランです。もう楽しみ過ぎてそれまでの仕事はすべてこの予定のための辛抱だと思ってやっていました。

さて、今回のベネッセハウス訪問はバスを初利用してみました。
これまではずっと宇野線、急ぐ帰り道はタクシー、みたいなことをやっていましたが、宇野線はともかく、タクシーは岡山まで7,000円とかかかるのでちょっとバカらしいなとようやく改善に着手。するとおのずから浮かんでくるのがバスという公共交通機関です。いや、なんか珍しい乗り物を紹介するみたいな書き方になっていますが、あの普通の路線バスです。

同じく岡山駅でも駅前のバスターミナルから両備バスに乗り込みます。特急と名のつく渋川行き(瀬戸内マリンホテル行き)。乗り換え案内の予定だとわりと早めに着く予定だったため、もしかするともう1本前の船に乗れるかもしれない!と期待に胸をふくらませ乗り込みましたが、あいにく岡山市街での渋滞にあえなく敗退。やはりちょっと時間が読めないところはバスの弱点でしょうね。でも、タクシーとは違って640円で行けるわけですし、宇野線ののんびりした時刻表に合わせなくても、間の時間はバスが補っています。時間帯によっては使わない手はないでしょう。とりあえず今回の収穫は、バスがどういうルートを通ってどのくらい時間がかかるか(どのあたりが混むか)を把握できたことと、宇野港に一番近いバス停が築港銀座だと分かったことでした。

宇野港の直島行きフェリー乗り場は相変わらず小ぢんまりした感じですが、待合室ではwifiが使えたのですね。今回の帰省に合わせてようやくiPadminiを入手した我々。セルラー版なので携帯みたいにどこでもネット接続はできるのですが、データ通信量を気にしなくてよいのならそちらのほうがうれしい。認証パスワードなんかもいらずにすぐ接続できました。今回、初日の夕食はレストランではなくてお弁当を頼んでみたのですが、空腹が怖くてなんとなく宇野駅前のセブンイレブンで食料を買い込み、乗船したのでありました。

日曜日の直島はさすがに混雑していました。
船着き場にも折り返し乗船する人々が列をなし、町中にもまだまだこれから回りそうなレンタサイクルの人々が。大型バスなんかもいて、結構お年をめした方々も団体で。みんな楽しそうです。故郷にこんないいスポットができてうれしいなあ、と思うも、実はここは岡山ではなく、香川県なんですね~。うらやましい香川。

港からはホテル専用のシャトルバスで。ある種の手違いでビーチ棟に宿泊することになりましたが、バスの降り場はベネッセハウスパークということで。パークフロントには結婚式でお世話になったMさんもいらっしゃって、ごあいさつ。さあ、楽しみな2泊3日の始まりです。

ビーチ棟はパーク棟からテラスレストランを通り過ぎた先、海のド真ん前にあります。どのくらい前かというと、満潮だとちょっと浸かるんじゃないかと懸念するくらいです。運のいいことに2階客室だったので、部屋の中からはもう海しか見えません。ベランダまで出れば下の道も見えますが、中から立って見てる分には海上コテージ気分です。いやあ、この眺めはすごい。山育ちに海の風景は目のごちそうです。

さて、2泊もあるのでまずは風呂です。
露天風呂も大浴場もないベネッセハウスの風呂の何が楽しみかというと、シャンプー類の香りです。どこのシャンプーかというと、「THANN」というブランドのやつです。もうこれは単に個人の好みとしかいえませんが、最初に来た時からこのシャンプー類の香りが好きになっちゃいまして。ベネッセハウスに来るとこれをお風呂でボトルで使えるという。これは超個人的ですが贅沢だなあと感じる瞬間なのです。
ちなみに今ちょっと調べてみたらこのブランドは他のお宿でもアメニティで使われているそうで、一覧が載っていました。パークホテル東京、熱海 ふふ、ATAMI 海峯楼、箱根翠松園…おお、なんか錚々たる顔ぶれですね。THANNがあるから泊まりに行く、とまではいかないと思いますが、知らずに行って偶然お気に入りのものがあったりするとうれしいですよね。
風呂にゆっくり浸かり、THANNのシャンプーで体もきれいにして、夕食まで部屋でゴロゴロ。お弁当が届くのを待ちます。

部屋への電話が夕食の合図。「これからお持ちします」とのひと言から待つことしばらく(ビーチ棟はどこからも遠いので意外に来ないっていう)。インターフォンを鳴らしてスタッフの方が持ってきてくださいます。
届いたのが「さざ波」。いつのころからかある、ミュージアム棟の日本料理レストラン一扇によるお弁当です。ベネッセハウス滞在中、部屋で食べられる食事はこれくらいです。仕出し弁当と違って、一扇のメニューからわりといいとこ取りで作られてるもんで、「食べるものがない…」と途方に暮れなくてすみます。一方、翌日の夕食で頼む予定だった一扇の「海」コースとメニューがほぼかぶっていたこともあり、フロントに頼んでテラスレストランでの食事に変えてもらいました。

食後も多少ゴロゴロしてからお待ちかねのパークラウンジへ。このラウンジが好きなんです。ほんとになんてことのないフリードリンクのラウンジなんですが、コンクリート打ちっぱなしの壁の反対側には全面ガラスの窓。そして窓からは風にそよぐ現代アート作品と、ここでも海。コーヒーかなにか飲みながら本を読むもよし、ぼーっと外を眺めるもよし。何してても何見てても絵になるラウンジです。夜はわりと暗めなので、何か読むなら明るめの場所を選ぶべし。
ちなみに、フリースポットだと聞いていたのですが、接続方法が分からずじまい。まあ何か特段したいことがあったわけでも、切羽詰まっていたわけでもなかったので、スタッフの方に聞くこともせず。次回は事前に聞いてみようかなあと思ったのでありました。

第一夜明けて翌朝。2日目の朝食はテラスレストランです。
去年の滞在では一扇での朝食だったので、テラスレストランでの朝食は久しぶりです。結婚式のとき以来ですね。
朝食はビュッフェ形式。卵料理つきで、僕は具の選べるオムレツ、妻は両面焼きの卵焼きをお願いしました。
ビュッフェはそれほど品数が多いわけではないですが、雰囲気があってよい感じです。パンがおいしいのがうれしい。ビュッフェではテーブルにお皿をズラッと並べるんじゃなくて、何回も料理を取りに行けるのが幸せ、とサカキシンイチロウさんのコラムで見た気がして、それ以来そんな過ごし方をしています。ベネッセハウスにも血眼で料理を取りに来るおばちゃんとかいますが、まあ、それはそれで楽しい風景のひとつです。


☆ ☆ ☆
さて、今日もまたお気に入りのパークラウンジに行って、家でとっている日経新聞以外の朝日、読売、毎日新聞をゆっくりと読み終えたころ、その瞬間はやってきました。


パチッ。


照明は消え、音楽は止まりました。

ん、停電か?島だし、たまにはあるのかな。
おそらくそう思ってしばらくは気にもせずまた思い思いの過ごし方を再開する我々宿泊客。

それでも、しばらく。

いくらなんでも復旧しないなあ…顔を上げると同じく顔を上げた他のお客さんと目が合ったりして。まあ、せめてコーヒーくらい。おや、コーヒーも出ない。そうか、電気だもんな…。

そうしてスタッフさんが駆け込んできます。
「原因不明ですが、ただ今全島で停電中です。」

おいおい、全島なんですか。山奥育ちの僕は「どうせ、山の上のアンテナみたいなのが倒れたんじゃ?」なんて思っていましたが、どうも本州(直島は中国電力から供給を受けているらしい)から電気自体が来ていないそうで。
どうする?と妻と相談。もうしばらくラウンジにいて、その後は部屋に戻ってみようかとそういうことになりました。

ラウンジから一歩出てみると、おお、いつもより明るい。パークラウンジから出たところには杉本博作品がたくさん並んでいるのですが、いつもは真っ暗な中に白い間接照明で照らしてある感じなんですね。それが今日に限っては非常灯がそれに代わって点灯。暖色系の明かりに照らされていたのでした。これはこれで貴重だね、とパーク棟を後にする僕ら。やってるのかな、と足を踏み入れたショップでは、お店のおねーさんが売上データについての問合せを一生懸命しておられました。停電中の思いを共有しようと話しかけてみようかと思いましたが、普通にご迷惑だなと思い退散。

それにしても風の強い日でした。飛ばされそうな思いでテラスレストランの前を横切り、何か飛んでこないかとキョロキョロしながらビーチ棟までたどり着きますが、エントランスがカードキーに反応しないというハプニング。カードキーを読み取ったよという意味で点灯する緑のランプは乾電池駆動らしいのですが、それと鍵を連動させているのは電気だそうでまったく開かないという。まいったなあ、もう一回パークのフロントに戻る?とか言ってたところに中から人が。見回っていたスタッフさんです。開けてもらって無事入れました。部屋のカギは大丈夫とのこと。とりあえずようやく部屋に帰りつきました。


そういえば昼ごはんどうする?という話になったものの、まあレストランなんかも無理だよね…という話にしかならず。と、ふと気づきました。そういえば宇野でいろいろ買い込んできたなあ…それ食べようか。
ほんとに今回の旅は神がかっていました。まさかこんなドンピシャでおやつが役に立とうとは。朝ごはんを遅めにたっぷり食べていたのも奏功しました。水も止まっているのでたしかにトイレも1回しか流せないのですが、加湿器に入れていた水をトイレのタンクに投入したりしてまあなんとか。どうせのんびりしにきたんだからと、おやつ食べて本を読むのに飽きたら寝ました。昼寝です。

そうこうしているうちに日暮れです。さすがに夜も同じ状態はきついなあ…とは思うものの、復旧しないのだからしょうがありません。しかし、一方で夕食の時間は刻々と近づいてきます。ベランダに出てテラスレストランのほうを見るも、電気が弱弱しく灯っているだけ。たぶんダメだろうな…と思いつつ、念のためフロントに問い合わせてみました。夕食はどうなるんでしょうか、と。

「レストランのほうは皆様をお迎えする準備ができております。」

なんと。そこまで言われたら行くしかない。一体どうやってもてなすつもりなんだろう…謎は深まるばかりですが、とにもかくにもいざテラスレストランへと部屋を出たのでありました。


レストランではなんとキャンドルの光でテーブルをセッティング。ご不便をおかけします、との声に思わず「大変ですね」と言ってしまう僕。サービスしてくださるスタッフさんも「私たちも初めてのことで戸惑っております」とかなり困惑気味。それでも食事は開始となったのでした。

と、その時。

ぱああ、と電気が点いていきました。待ちに待った復旧です。お客さんもスタッフさんもあれほど目も顔も輝かせた瞬間はないでしょう。あるお客さんの思わずの拍手にみんなつられて、レストランは明るさを取り戻したのでした。こんなことあるんですねえ。なかなかない瞬間に立ち会えたことがみんなをうれしくしたんでしょうね。
スタッフさんは水を得た魚のごとく、明るいレストラン内を縦横無尽にサーブ。フロアマネージャーのような方が各テーブルに声をかけてくださってとても丁寧でした。さーて、遅ればせながら本日の夕食メニューはテロワールのコース。「食前のお楽しみ」から始まり、「瀬戸内海産 天然鯛のマリネ、渡り蟹のファルシ、焼き茄子のピューレ」、「本日のスープ」を挟んで、メインは夫婦で魚と肉をひとつずつ選び、僕の選んだ「本日の魚料理」はスズキのポワレでした。妻は「国産牛ほほ肉の煮込み ポレンタと共に」。そのあと、プレデザートとメインデザートが来て、コーヒー(もしくは紅茶)で締め。お品書きだけ見ると少なそうですが、お代わり自由のパンが出てくるので僕らのおなかはこれで十分いっぱいです。

食後はまたしてもパークラウンジに寄ってから就寝。ともあれ、コーヒーが出るようになってよかったです。
3日目の朝。帰りの新幹線の都合で少し早く出ないといけないので、レストランが開く時間(7時半)を見計らってミュージアム棟に向けて出発。のんびり散歩するには寒いですが、徒歩でぶらぶら行きました。まだ風は強いですが、天気は回復。瀬戸内海に浮かぶ島々が美しいです。ミュージアム棟からの坂を下りた突き当りからの景色は季節を問わず絶景哉。

2回目の朝食はミュージアム棟の日本料理レストラン、一扇で。ここで洋食を頼むというのも結構好きです。こちらはビュッフェ形式ではないですが、いくつかある料理のパターンから好きなものを選ぶ方式(卵料理、肉料理、ジュースなど)。いつも調子に乗って追加可能なフレンチトーストを付けて苦しむというのがお決まりのパターンですが、案の定そうなりました。

ミュージアム棟からパーク棟へはシャトルバスでも帰れるのですが、あまりゆっくりもしていられないのと、歩いても10分かからないくらいの距離なので帰りも歩きで。ちなみにミュージアム棟のアートの展示がいくつか変わっていたのはちょっと驚きました。展示替えなんてやってたんですね。

名残惜しいですが、チェックアウトの時間です。今回はまた全島停電というハプニングがありましたが、我々にとっては特に致命的なことでもなく、また楽しく過ごさせてもらいました。僕らもだんだんといろんないい宿に泊まってきていると思っていますが、人という点でベネッセハウスは超高級外資系ホテルにも負けてないと思います。島という立地がそうさせるのか、瀬戸内国際芸術祭のようなイベントがそうさせるのかは分かりませんが、日本屈指の非日常への対応力がある宿。そんな強みがこのホテルにはあるんじゃないかなあ。そんな気がしてきた5回目の訪問なのでした。


【次回宿泊に向けて】

・そろそろ観光を(今回もするつもりだったがスケジュールミス)
・フレンチトーストは2人で1つ
・次回はフリースポットを活用したい

拍手[1回]

PR

Comment

Form

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

カレンダー

03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

リンク

カテゴリー

フリーエリア

最新コメント

[05/03 柿崎状]
[02/23 萌音]
[01/04 R]
[12/29 佐藤]

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

忍者アナライズ

カウンター

忍者ブログ

[PR]

TemplateDesign by KARMA