【データ】
訪問年月日
2012年9月某日から2泊
宿泊プラン
1泊目:Room 406 オーバル ツイン
2泊目:Room 303 ミュージアム ツイン
ホテルHPから予約(15時チェックイン、11時チェックアウト 食事なし)
料 金
111,810円
【宿泊記録】
○満を持して
第1回の瀬戸内国際芸術祭、結婚式の相談時、結婚式、と3回で5泊を過ごしたベネッセハウス。期せずして結婚式からちょうど1年後、満を持して特にイベントもないのに連泊の予約を入れました。
結婚式で大いにお世話になったMさんからは年始に年賀メールをもらっていましたが、今回予約したことは特に伝えておらず、妻とは「行って呼んでもらって挨拶しないとね」と言っていたところ、訪問直前になってメールが。「偶然、予約リストの中にお名前を見つけました!」とのこと。予約を入れれば分かったりするのかな、とその時は思っていましたが、普通は予約受付の部門にしか情報はいかないそうでほんとに偶然も偶然だったようです。こういうところでも縁を感じてしまって、うれしくなってしまいました。
なお、今回はやっと、やっとのオーバル棟に宿泊です。2泊目はこれまた初めて泊まるミュージアム棟。いろんな意味で満を持しての訪問となったのでありました。
○のしかかる試験勉強
楽しいベネッセハウスでの休暇の一方、僕には昇進試験の受験勉強がのしかかっていたのであります。これはつまんない。もう休暇中はすべてをなげうって遊んでしまおうとも思ったのですが、逆に気になってしまいそうだったので、勉強道具一式は持っていくことに。試験準備は継続が大事な面もあります(このへんをおろそかにして過去の試験で苦戦した思い出もあり…)。論文試験なので、自作のレジュメと、これからさらに論文のネタを増やすために必要な元ネタの資料をバッグに詰めて持っていきました。
結果的には…まあ持って行ってやっぱりよかったなと思いました。勉強ができる場所は実はいろいろあって、パーク棟のパークラウンジ。夜は照明が暗くて不向きですが、夜になってまでやるなという話で、昼は景色もいいしフリードリンクだし最高です。宿泊がパーク棟なら僕はほぼここで過ごしたことでしょう。ちょっと棟が違ったので、なかなか入り浸りというわけにもいきませんでした。
2つ目は、意外な穴場でミュージアム棟のライブラリ。ここが人でいっぱいになることはほぼないと思われ、実際にそう。たまに勉強熱心なお客さんが入ってきますが、ここで長居する人はまずいません。中央に配置されたテーブルのなるべく他人の邪魔にならなそうな場所に陣取り、勉強しました。気分転換したくなったら、窓の外を眺めると景色もしくは他のお客さんの楽しそうな姿を楽しむことができます。見ていると悲しくなる場合は、窓に背を向けて一心不乱に勉強に取り組むのがオススメです。
その他、勉強できる場所があるとすれば、やはりカフェ風の空間であるミュージアムカフェ。ただここはお金を払って飲食する場所なので、あまり居座るのも悪いわけで。一方、ミュージアムショップが併設されているので人の出入りは多いですが、カフェで飲食してる人は実はあまりいないので席の確保には困りませんでした(芸術祭期間中なんかはちょっと事情が違うかもしれませんが…)。
ちなみに滞在中、僕はミュージアムランチ、妻は本日のパスタをいただいたように記憶しています。ランチのその日のメインはハンバーグだったかな。
そういえば、ミュージアムカフェは子ども連れの宿泊者に限り、ここでのディナーを用意しているらしいです。説明をよく読まずに子連れでもない我々は予約を入れようとしてしまってご迷惑をおかけしてしまいました。ここでのディナーが開放されたら食事のレパートリーが広がっていいのになあ…。現状、子連れでない宿泊客がここで夕食をとろうと思ったら、ラストオーダー間際に行ってパスタかカレーとプラス何かでお腹を満たしておくしかないと思います。
なお、ハマりすぎないようにと1冊だけ持って行った小説は『プリズンホテル 夏』。試験勉強の重圧からか、こんなに読書を楽しく感じたときはありませんでした。
○深夜のアクシデント 結婚式のときに泊まる予定にしていたのに台風に阻まれてしまったオーバル棟ですが、ちょっとここまで眺望がいいとは思っていませんでした。部屋からも存分に海が楽しめるし、外に出て宿泊上の屋上に上がるとさらにすごい眺めが拝めます。2泊目はミュージアム棟に泊まったのですが、別にミュージアム棟だって十分海が楽しめるのです。普通の「海の見える宿」を完全に凌駕したオーバルはまさに別次元の宿泊棟でした。
さて、オーバルのその別次元具合を演出する大きなところを占めるのが、オーバル宿泊者専用のモノレールの存在です。オーバル棟には宿泊者以外は行けないことになっており、モノレールに試乗することすら叶いません。ようやく乗れたそのモノレールに興奮する我々。イメージとしては、斜行エレベータのような感じでボタンを押してモノレールを呼び、乗り込んでドアを閉めると動き始めるという仕組みになっています。運転技術等は不要です。当たり前か。
しかし、このモノレールに夜、異変が起きたのです。
パーク棟のテラスレストランで夕食をとり、パークラウンジでゆっくりしてからミュージアム棟まで送り届けてもらい、モノレール乗り場に到着した我々。乗り場には先客のおねーさんがひとり。ボタンも押してあるのでモノレールの到着を待ちます。しかし、いつまで経ってもこない。おねーさん曰く、さっきから全然こないんです、とのこと。僕はフロントまで行き、従業員の方にその旨告げました。従業員の方はモノレールのレールに降りて車両を探しに行ってくださいました。結果、
途中でドアが開いちゃってたんですって。閉まってないと動かない仕組みになってるんですね。半ドアみたいな状態で出発して、それが途中で木の枝かなんかと触れ合った時に開いちゃったみたい。ともあれ、無事に乗り込むことができ、一緒に待ちぼうけてたおねーさんと少々の交流も持ちつつ部屋に帰ったのでありました。
滞在中の食事は、朝食は2日ともミュージアムレストラン一扇の洋朝食。夕食は1日目がテラスレストラン海の星でのコース。2日目が一扇のコース。昼食は前述のようにミュージアムカフェで1回とりました。夕食コースのみお品書きを保存していたので以下に記載しておきます。ご参考まで。
<1日目夕食@テラスレストラン海の星>
~テロワール~
・食前のお楽しみ
・瀬戸内海で水揚げされた天然鯛のマリネ
ブルグール オレンジの泡
・直島産大葉のヴィシソワーズ
・メイン料理(本日の魚料理 又は 和牛ほほ肉の赤ワイン煮込み ポレンタと共に
・プレデザート
・デザート
・コーヒー 又は 紅茶
<2日目夕食@ミュージアムレストラン一扇>
~海~
・前菜(車海老、長葱、酢味噌掛け、菊花蓮根、ままかり、烏賊紅葉和え、穴子昆布巻き、厚焼玉子、赤蒟蒻、銀杏)
・お椀(萩しんじょう、つる菜、柚子)
・お向(鯛薄造り)
・焚合(小芋饅頭、菊花餡、針柚子)
・焼物(かれい西京焼、サラダ)
・進肴(松茸茶碗蒸し)
・食事(じゃこ御飯、味噌汁、香の物)
・果物(無花果ワイン煮)
どちらのコースも一番量の少ないコースですが、僕らの胃袋的には量は十分。テラスレストランのほうのコースには書いてないですが、パンがどんどんくるのでメニューから受ける印象よりおなかいっぱいになると思います。グルメでも大食漢でもない小柄な我々30代夫婦にはこれくらいがちょうどよい感じでした(和食のほうはもう少し少なくてもいいくらい)。
○ファンになる ベネッセハウスのMさんとは1日目に会えました。そういえばせっかくいいプレーヤーがあるのにCDも持ってこなかったなあ、とフロントに物色しにいったとき、後ろを振り向いたら笑顔で立っていらっしゃいました。
僕は今まで自分が「常連になる」ということが苦手だと思っていました。店の人に覚えてもらって仲良くされ始めるとなんとなく行きにくくなってしまうのです。でも、ベネッセハウスでMさんにお世話になって、こうしてまた温かく迎えてもらって「ただいま」といえる宿を持っていることはうらやまれるべきことだなあと思いました。自分たちにとっての立派な財産だと。
ベネッセハウスというホテルは、宿泊施設としてはいろんなハンディを負っていると思います。船でしか行けない島という立地。外見上リゾートといえる一方で、長期の連泊をしにくい食事事情。扱いの難しいアート作品を大量に抱え、施設の中核として維持管理していかなければならない状況。また、サービスの面でもベネッセハウスを超えるサービスを提供できる宿は他にもたくさんあります。なのに、なぜベネッセハウスが好きなのか。なぜここにだけ毎年わざわざ足を運ぶのか。
それは、思い入れがあるからです。そして、僕らを受け入れてくれる宿の人からも僕らに対する思い入れが感じられるからです。僕らの期待に宿が応え続けてくれる限り、僕らはこのベネッセハウスを一番のお気に入りの宿として、ファンとして支え続けていけたらすごくいいな、と思ったのでありました。
[5回]
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