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ホテル椿山荘東京

【データ】
訪問年月日 2014年8月忘日から1泊
宿泊プラン 一休のプラン(【ラッキーデイズ】広々45平米 夏のお日にち限定スペシャルプライス 2名で29,100円~(朝食付))
      (15時チェックイン、12時チェックアウト)
部屋タイプ スーペリアキング シティビュー(ダブル)
料   金 大人2名で39,427(1泊朝食付き+夕食)
宿 H P 


【宿泊記録】

鐘山苑に泊まった翌日。せっかく月曜日も休みにしたから、日曜日もどっか泊まろうか、ということで探してきたのが椿山荘。山梨でもう1泊するよりは、とりあえず都内に帰ってきておけば休み明けすぐ仕事でもあんまりツラくないかも?という判断です。椿山荘の正式名称は「ホテル椿山荘東京」。長年提携してきたカナダの世界的ホテルチェーン、フォーシーズンズ・ホテルズ&リゾーツとの提携を2012年末で解消し、元々の藤田観光が単独で運営開始。友人の結婚式の二次会で来たことはあったのですが、いわゆる宿泊棟にどっぷりと入るのは初。文京区の関口あたりは、以前仕事でも結構行くことが多かったあたりでそういう思い出起こしなんかも兼ねて泊まってみることにしたのでした。

鐘山苑の最寄り、富士急富士山駅からはるばる。いくつかの特急を乗り継ぎ、最後は山手線で目白まで。少し早く着きすぎたのもあって、目白駅構内のカフェデンマルクで休憩。この日もものすごい暑さ。歩いていくなんて論外です。

もうめんどくさいからタクシーで行こうかー、と、いざ椿山荘に向かいます。すると、目白駅前でいきなり立ち往生。タクシー乗り場がない!のです。いや、たぶんよく見ればあったと思うのです。しかし、なんか思い描いていたロータリー的な感じではなかったのが自分的にはちょっと衝撃だったのか、その時には見つけられず。結局、駅の中からも案内のあった「椿山荘行きのバス」で行きました。バス乗り場はこれまた知らなきゃたどり着けなさそうなところにあって、まずは駅の中にある表示を見落とさないようにということなのですが、方向としては、改札を出て向かって右方面にある横断歩道を渡り、そのまま右方面に引き続き歩いていくとあります。道を挟んで川村学園と学習院があるのですが、川村学園側のバス停です。まあそのあたりはホテルHPに詳しく書いてありますので、そちらをご参照ください。


さて、椿山荘前でバスを降り、横断歩道を渡ればそこが椿山荘のエントランス。おおー。大きい。そして奥が茂ってます。そこに有名な三重塔があるのですね。なんとなく、ホテルマンの方に声をかけられないようにそっと近づきそっと入館。フロントはどこにあるのかな、と思ったら、いろいろ抜けていかないと着かない様子。「フロント」の案内のままに奥へ奥へと進んでいきます。

同僚に「椿山荘に泊まる」と言ったら、えっ、あそこ、泊まれるの?結婚式場じゃないの?と言われたくらい結婚式場のイメージが強い椿山荘。中に入ってそれも納得。ウエディング棟とも言うべきがっちりとした施設があるのですね。椿山荘の中はざっくりいうと、3つの施設に分かれているようで、それぞれ「プラザ」、「タワー」、「ホテル」という名称になってます。バスで着いて小細工かまさずにそのままスッと椿山荘に入ると、そこは「プラザ」。3階のプラザロビーということになります。そこから連絡通路を通って「タワー」。僕らが見かけたウエディング関連の充実した施設というのは、タワーのフォーウエディングラウンジとかブライダルサロンのことでした。なんかね、すごいんですよ。ウエディング関連の話をするためだけのラウンジであんなに広くて立派な施設があるとは。僕らの結婚式はちょっと考えていたコンセプト(えらそう)が違ったので、こんな立派なところで大規模な結婚式というのじゃなかったんですが、こういう形式もやっぱりアリだなあと思ったりしたのでした。

何がいいって、結婚式の準備は楽しいものですけど、さらに楽しくなるだろうなあと思わせる環境なんですね。新郎はとかくめんどくさがったりするものですけど、ここでやればそんな人でも気分が違ってくるんじゃないかなあと思いました。


そうして長い連絡通路を抜けて、さあフロントだと思ってカウンターに声をかけると「あちらです」とのこと。おお、ほんとだ。ようやくホテルのフロントです。夏だからか、最近流行ってる風なフレーバーウォーターが設置されていたりして涼しげ。チェックインの手続きもささっと手早くしてくださり、すぐに客室にご案内。これまた長い長い客室廊下を歩いて行った先、お部屋に到着したのでありました。

客室はシティビューということで、街側です。椿山荘の名物庭園を見下ろすガーデンビューもあるのですが、お値段はプラスなんですね。どうせ庭園は見に行くし…ということでややリーズナブルなシティビューの部屋にしました。眼下に見えるのは…住所だと目白台かな?関口かな?ホテルは最高層でも14階なのでそんなに高いところというわけでもないのですが、そもそも高台にあるので遠くまでよく見えます。田舎っぽい眺めは山梨の鐘山苑で堪能してきたので、本日は都心のホテルで都心っぽい眺め。田舎者にはどちらかというとこちらのほうが非日常です。

チェックインしたのは15時すぎとチェックイン開始間もなくだったのですが、気になるのは夕食。どうしようか、と妻と事前にも話していたのですが、その時はルームサービスが気楽でいいかもね、と言っておりました。なので、まずはルームサービスメニューをご開帳。


…閉じました。


うーん、やっぱり結構しますね(笑)。やっぱり都心は高くて手が出せないという。ホテルって元々基本の宿泊料金がありますが、今はほとんど定価で売ってるとこなんかないし、いろいろ名前とか特典が付いた割引プランが適用されまくってるので普段は気にしないですけど、やっぱり「ホテル価格」なんですよね。ルームサービスの値段とかホテル内のレストランの値段を見ると一気に現実に引き戻されるような思いがします。結局、今のところルームサービスをとってみたのは比較対象のディナーの値段が分かっている箱根のハイアットと何をどう食べても高いという星のや京都の2回。これ以上増えることが果たしてあるのかないのか。まあ、そういうのを全部ひっくるめて「ルームサービス」はやはりあこがれのサービスなのですね。


さあ、どうしよう。
バスもあるし、池袋に出たりするのもいいけどね…とか、江戸川橋に大勝軒あるよ…とか言い始めたのですが、館内案内と併せて客室に置いてあった館内レストランのチラシがハラリ。見ると、なんか結構安くなってるなという内容。

中でも「日本料理 みゆき」の特別ディナーは味覚が未熟な我々夫婦でもいかにも喜びそうななかなかミーハーな献立。そして通常価格の半額以下(このあたりは先にルームサービスの値段を見たことも少なからず影響していると思われる)。「これ、いいんじゃない!」ということですぐさまレストランに電話。いきなり名前を呼ばれて電話を受けられて驚くも、なんとか予約ができました。いつもこういうチラシって一瞥してすぐ却下、というものが多かったのですが、こんな魅力的に映ることもあるんだなあと、チェックイン後も情報収集が大切だと改めて実感したのでありました。


部屋で少しのんびりしてから、来る途中にいくつかあったショップを見たいと妻が言いだし、たしかにそんなショップ(土産じゃなくて専門店)とか持ってるようなホテルなんてなかなかこないなと行ってみることに。それから併せて庭園散策もしてくることに。

まずは、わりと最近できたという空中庭園へ。ホテル5階から行けます。この夏は「シャンパンガーデン」というイベントをやっている様子。第1部は既に始まっている時間なのですが、「フリーフロー」という言葉の意味が分からないため恐る恐る足を踏み入れてみました。すると…


誰も…いない…


何かを売っていそうなプチ屋台っぽいのはあるのですが、シャンパンガーデンに参加している感じの人は誰もいません。ちなみに、「フリーフロー」の意味ですが、帰ってきてからネットで調べてみたところ、「シャンパンなどのスパークリングワイン、赤ワインや白ワインを好きなだけ注いでもらえるドリンクプランの名称としてよく使用される言葉」だそうです(参考URL)。つまり、タダで飲めるわけではありません。料金が書いてあったのでそりゃそうですね。それにしても、空中庭園はこれはこれでいい空間でした。まあ、お金取るイベントのほうがホテル的にはいいでしょうけど、テラスラウンジとしても貴重なのでソフトドリンクのフリードリンクとかで宿泊客に開放してくれてもいいなあと思いました。もちろん、宿泊客相手でもいくらかお金取るのもアリだと。

その後、3階のショップ群を経て庭園へ。まあ、ショップの顔ぶれはこんなところです、ということでリンク先をご覧いただければ。

さて、椿山荘といえば何と言っても庭園でしょう。そもそも、ホテルがこんなに立派な庭園を抱える必要があるのか、というのはさておき、椿山荘が他の都心高級ホテルと比べて明らかにアドバンテージといえるのがこの点かと思われます。さあ、滝の裏側の通路から外に出て、おおー、やっぱり涼し…


…くない。


そりゃそうです。だって、外なんだもの(笑)。それでも、なんとか「涼」を感じさせるその緑の力たるや。特に目玉ともいえる三重塔の周囲はなんとなく雰囲気も凛としていて、森閑という言葉が思い浮かびます。もう少し涼しい季節とか、とってもいいんだろうなあ。暑かったので早めに切り上げてしまいましたが、庭園好きな人なんかは数時間くらい平気でいられるんじゃないでしょうか。ここを冷暖房の効いた室内から眺めるのもよし、いざ森の中に入って楽しむもよし。都心のホテル、都心のリゾートだけにそれぞれの楽しみ方ができる庭園だと思いました。オアシスとの距離感が選べる的な。


さて、館内散策もとりあえず終了し、夕食の時間を待ちます。さすがに特別ディナーだけあって20時から開始と少し遅め。その間、実家から電話がかかってきてホテル滞在を自慢したり、館内無線LANにiPadつなげて遊んでたり、テレビ観たり、謎の打ち上げ花火を鑑賞したりとのんびり。そしてようやく待ちに待った20時。夕食の時間です。レストランは「みゆき」。エレベーターを2階で降りて、長めのエントランスを抜けるとありました。本日のお献立は以下のとおり。

<夕食 お献立>

前菜 三種盛り
吸物 海老真丈 黄身素麺 占地茸 芽葱
造り 鮪 鯛 甘海老 妻いろいろ
焼物 蟹と竹の子の甲羅焼き
強肴 国産牛フィレ肉のステーキ
揚物 蟹と海老の天ぷら 又は 米茄子の鴫炊き 海老を添えて
食事 海の幸のばらちらし 又は 茶そば 又は さぬきうどん
甘味 葛切り

お店はなかなかよい雰囲気。お客さんもまだまだいっぱいいらっしゃいます。明るい時間帯ならばこれでもかと庭園が見渡せた席なのでしょうが、ぼんやりところどころ明るい庭園を見下ろしつついただきます。献立の内容のとおり、どう見ても我々にはごちそう。しかも好きなものばかり出てくるという夢のような内容でとってもおいしくいただきました。少し遅めの時間でしたし、あまり重い量は無理かなと思っていたのですが、量もちょうどよく満足。お世話になりました。おなかもいっぱいになり、少々アルコールも入ったものでそのまま就寝。


翌朝は遅すぎず起きてこれはプランについている朝食。会場は、イル・テアトロというレストランと、昨日夕食をいただいたみゆきのどちらかが選べます。

我々は夕食とは趣向を変えてイル・テアトロのほうへGO。案内をよく読んでおらず、なんとなくバイキングかと思っていたらセットでした。アメリカン・ブレックファーストを注文。内容は、

<フレッシュジュース又は本日のジュース、お好みの卵料理(ベーコン、ハムまたはソーセージ添え)、モーニングベーカリー又はトースト、コーヒー又は紅茶>

とHPにも出てますが、そんな感じです。
ホテルの朝食(洋食)では、僕の方はオムレツが出てきさえすればそれだけで満足なのですが、妻のほうは目玉焼きが好きで、しかも両面焼きでしっかり目に焼いてもらえるとそれがすごくうれしいみたいです。
ただ、今回はそこが注文の時にうまく伝わらなかったみたいで、両面焼きだけど黄身がトロトロのやつが出てきて少し残念そうでした。注文の時に「両面焼きでしっかり焼いてください」と言ったのですが、スタッフの方が何やらカタカナで注文を繰り返されたその意味がこちらでよく分かっていなかったようです。カタカナ弱いんだよな…。。
目玉焼きがフライドエッグ、片面焼きがサニーサイドアップ、両面焼きがターンオーバー、焼き加減は両面でも半熟なオーバーイージーとしっかり焼くオーバーハード、とこんな感じらしいです。繰り返されてよく分からなければ、普通にどういう意味か聞きましょう(笑)。

朝食後はいったん部屋に帰って、どうしても気になるパゴダラウンジへの潜入。いやあ、HPの「ご滞在時のサービス」の中に「宿泊ゲスト専用ライブラリー」ということで「パゴダラウンジ」というのが書いてあるんですね。これが平日のみなんですけど、場所がよく分からないんですよ。「※お日にちにより会場が変更する場合がございます。予めご了承くださいませ。」とか書いてあるし。で、ネット検索とかしてみると、どうも12階にあるんじゃないかと思われるんですね。ちょっと不安なんですが、とりあえず行ってみないことには始まらないということで、突撃。そしたら…


ありました。


エレベーター降りてすぐ、迷う間もなくありました。
こぢんまりした空間で、特にスタッフの方はいらっしゃらず。小さめのライブラリーが手前と奥に分かれて置いてあり、真ん中あたりにネスプレッソが設置されてます。他には紅茶と水、かな。少々放置気味の空間ですが、周囲に騒がしいご一行とかがいなければいい感じです。少し滞在して読書等して帰りました。帰り際、ネスプレッソが不具合を起こしていたようで、そういう時はスタッフの方が来てくれるみたいです。

そうこうしているうちにチェックアウトの12時。お世話になりました。
帰りにホテルの真向かいにある東京カテドラル聖マリア大聖堂を少し見学。お噂はかねがね、という感じの超弩級の建築物です。構内はまったく冷房もなにも効いていなくて暑いだけなのですが、ここも椿山荘の庭園と同じく涼しげな気配に満ちています。都心の「涼」スポットを2つ制覇した気になった夏休みだったのでした。


【次回宿泊に向けて】

・都内だからってホテルまでのアクセスはちゃんと考えておくこと(駅前に分かりやすくタクシー乗り場がある駅ばかりではない)
・宿泊者限定の食事プランは気にしておいて損はない(期待しすぎず、期待しなさすぎず)
・分からない言葉はどういう意味か恥ずかしがらずに確認する!(笑)


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ホテル鐘山苑

【データ】
訪問年月日 2014年8月忘日から1泊
宿泊プラン 会社の福利厚生による施設借り上げ
      (15時チェックイン、10時チェックアウト)
部屋タイプ 細流亭3号館 7階客室
料   金 大人2名で36,020(1泊2食付き)
宿 H P 


【宿泊記録】

実家関係がいろいろと多忙だったりしてGWにはどこも行けず、その後も僕の入院や祖母の葬式、その他もろもろで、結局2月のハイアット箱根の次のお泊りは8月となってしまいました。

そもそも、今の仕事では夏の予定が合わない僕と妻。今年の夏もあんまり遠出は期待できないね、ということで、会社の福利厚生の一環、夏限定の施設借り上げに応募してみることに。すると、ビギナーズラックか、なかなかいい番号に当たり(番号順に申込みできるのです)、第1希望の鐘山苑が取れました。

しつこいくらいブログにも登場する僕の愛読書、『一度は泊まりたい有名宿覆面訪問記』に掲載されている宿です。なんだか、この本を特別意識しているわけではないのですが、気づくとこの本の掲載宿を予約しているというこの不思議な深層心理。いや、単純にあこがれの詰まった本なのでしょう。と、いうことで今回は、100室を超える大型旅館「ホテル鐘山苑」にGO!という我々夫婦にとってはちょっと珍しいチョイスとなりました。


出身は西日本のとある自治体なのですが、夫婦とももう東京に暮らして10年を超えています。それなのに、山梨県ってじつはあんまり遊びに行ったことがない。そして、富士山も新幹線からはよく見るけれど、それほど近くまで行ったことがない。そんな近隣自治体山梨県にあるホテル鐘山苑は、それこそ「富士山の見える温泉旅館」&「富士山温泉」を標榜するお宿。会社の借り上げだから安いのが最大のメリットで、プラン自体は大したことないんだろうなあ、とあまり期待はしていなかったのですが、「富士山を見る宿に泊まる」というのはまた違ったワクワク感があり、それなりに楽しみにしておりました。

まずは、アクセスなのですが、そもそもどうやっていくのか?調べてみると、JRと富士急を乗り継いで富士山駅まで行けば、そこから宿の無料送迎があるとのこと。さっそくJRの特急「かいじ」を予約しました。しかし、そこでハタと手が止まります。富士急ってどうやって乗るの??

まあ、とりあえずは富士急行のHPを開いてみます。意外にざっくりしたトップページに戸惑いながらも、「富士急行の交通を調べる」というリンクをポチっと。次のページでこれまたよく分からないながらも、「富士急行線」というリンクからさらに次のページに飛びます。別途乗り換え案内で調べたとおり、どうも「フジサン特急」というのが使い勝手がよさそうなので、そちらのページにまた飛びます。すると、「『フジサン特急』、観光電車『富士登山電車』はインターネットからご予約いただけます」との表示が。おお!やっぱり今はローカル鉄道会社も完全にネットをつかいこなしているんですなあ…となかば感嘆しながら、画面の表示に沿って予約完了。これで万…


…全??


お金はどうやって払うの?きっぷはどこでももらうの?どこの席がとれたの?


と立て続けに浮かんでくる疑問。いやー、これね、ちょっと分かりにくかったですよ、富士急さん。HPのこの辺りを見ればなんとなく分かってはくるんですが、パッとわからないです。このあたりは経験談をあとで参考に書いておきますのでご参考まで。


と、いうことで、当日を迎え、出発。
当初の計画だと余裕をもって家を出て、特急かいじに乗る立川駅でゆっくりおいしいお昼を食べてから出発!ということにしていたのですが、まさかの歯医者が長引くというハプニング発生。さらに予想外の麻酔までかけられるということで、あわただしく立川駅構内でテイクアウトものを買い込み乗車、というバタバタのスタートとなったのでした。

結局、きっぷはJRのえきねっとで行きのかいじとそれにまつわる大月までの乗車券だけを買って行きました。富士急はどうしようかと思ったのですが、事前のネット検索の結果、「フジサン特急着席整理券・指定室券のお受け取り、大月駅限定発売のおトクなきっぷ(フジサン特急フリーきっぷ等)をお求めのお客様は、窓口をご利用ください。」という記述を見つけたり、旅行代理店で富士急のきっぷを発券しようとすると手数料がかかる、というような話を見つけたので、事前には買いませんでした。一応、フジサン特急の予約をしていたので、その予約確認のメールをプリントアウトして持参。今になってよくよく見れば、メールに書いてある料金は、富士急の乗車券+特急券+着席整理券の総額なのでした。

JR特急かいじの乗車位置は偶然ですが、先頭車両でした。立川から40分ほどで大月駅に到着。乗り換えが混まないといいけど…と思いつつ降り立つと、なんと乗り換えに一番便利な位置だったことが判明。前に1人しか並んでいない窓口に悠々並び、窓口でフジサン特急の予約確認メールプリントアウト版を提示すると、速やかに発券・精算してくださいました。ラッキー。僕の後ろには続々と人が並び、さすが土曜日。そのままホームへと向かいましたが、そこでも自由席の2・3号車はえらい長い行列となっていました。そう、フジサン特急は3両編成で事前予約ができるのは1号車だけなのです。予約といっても、「席は必ずある」という約束がなされるだけなので、名称が「着席整理券」となってます。なので、我々も1号車の乗車口に普通に並んで、乗り込んでからどこに座るか決める、と。こういう流れになっているのです。

それにしても、1号車は快適でした。着席整理券は1人100円なのですが、100円で座れてしかも混雑なし&静かなんてオトクだと思いました。可能であればケチりどころではないような気がします。同じように思った人も多かったようであちこちの席からそんな会話が聞こえてきました。


さて、これまた40分ほどで大月から富士山駅に無事到着。さすがに標高800メートルレベルは涼しい。大月だって都心よりは涼しかったんでしょうが、レベルが違います。少し寒いくらいです。富士山駅には意外なことに駅ビルが付属しており、まさかここで「無印良品」という看板を見かけようとは!と少なからず驚いてしまいました。
時刻は14時30分。富士山駅から宿までは無料の送迎があるということなので、事前に控えておいた宿の番号に電話。改札を出て右手の出口、「豆の樹」という喫茶店の向かいあたりで待っておいてくれ、とのこと(こういうことはすべてHPに書いてあります)。しばらく待っていると、宿の車が到着。駅から宿までは車で10分くらいだったでしょうか。チェックイン時刻の15時ごろ到着したのでありました。


やや薄曇りで、富士山頂は雲隠れ。そんな時間帯でしたが、チェックインはとってもスピーディ。ピークの時間帯じゃなかったので、そんなに何十人のお出迎えという感じではありませんでしたが、各ご一行にすばやく仲居さんがアプローチして、名前を告げるやいなやすぐにロビーカウンターでチェックイン手続き。必要最小限の宿帳記入と夕食の時間決めだけさせる形ですぐにお部屋にご案内。部屋に行く途中の館内案内も必要最小限でした。

部屋に入るとお茶とお菓子の用意をいただき、落ち着いたところで仲居さんのご挨拶。ベテランの仲居さんのややドスの効いたご挨拶は迫力満点(?)で、ああ久しぶりにちゃんとした旅館に来たなあと実感。広い館内を詳しい案内図で詳細に説明いただきました。仲居さんが下がっていってようやくほっと一息。少しごろごろしてから1回目のお風呂に行きました。

お風呂は館内に3か所。あ、家族風呂は別途あるそうですが、我々には不要。屋上に展望露天風呂富士山というのがありまして、そこは男女入れ替わり制で、この日は18時半まで女性が入浴可、男性は翌朝入浴可、といった感じです。屋上のこのお風呂には洗い場がないということなので、先にどちらかの大浴場で洗ってから妻が行ってみることにしました。ということで、まずは2人で部屋から遠い方の元湯大浴場へ。

それにしても、広い館内です。そりゃまあ、敷地内に森を抱える星のや軽井沢とかと比べてはいけませんが、建物内がでかい。ロビーも広大で錦鯉まで泳いでるし、廊下も各方面にどこまでも広がっていっているような感じを受けます。帰り大丈夫かなあ…そんな不安もありつつお風呂に到着。元湯大浴場を楽しんだのでした。16時すぎくらいだったと思いますが、まだまだお客さんは少なく、結構独り占めの時間も多くてよかったです。内湯にも露天にも浸かってみましたが、露天は少しぬるかったので熱めの内湯のほうが好きかな、と。翌朝行ったもう一つの大浴場赤富士のほうがおそらく大浴場としてはメインで、湯上り処も広く、漬物サービスとか新聞が置いてあったりとか設備は充実。元湯のほうはもう少しシンプルでセルフな感じでした。
一方、屋上露天もよかったようで、妻は結構気に入って帰ってきました。風呂上がりに部屋に戻ってきたころには、富士山も頭をのぞかせ、ようやくお出ましといった感があります。鐘山苑の周辺は結構開けていて田んぼが目立つ盆地。僕は元々山育ちなので「鄙びた宿」とかは「実家と一緒じゃねーか」と思ったりすることも多いのですが、やはり「富士に抱かれた」という形容がぴったりのこのロケーション。これはただの田舎とか山風景ではないなあ、と実感したのでありました。


さて、鐘山苑のウリは温泉だけではありません。広大な庭園と充実した施設、それらを生かしたイベントも楽しみたいところです。ということで、まずは庭園へ。18時までは庭園茶室で抹茶がいただけ、さらに、冷たい甘酒サービスもあるというのです!

庭園茶室に行ってみると、おお、なかなかの賑わい。少し待つ感じでご案内されました。お抹茶の前にこれまた素敵な和菓子が供されます。差し出されたので箸で取ります。こんなときに箸の持ち方がおかしいと恥ずかしいのですが、このときだけ直すということもできず…。取り終わった!とほっとしようと思ったら、お隣に回していただけますか、と言われてピンと背筋が伸びます。お茶、ちゃんとしてますね。体験は雰囲気が大事です。
その流れで庭園の中のお休み処にも。こちらでは冷たい甘酒がいただけます。冷水にきゅうりも浮いていてそちらもいただけたようです。お休み処は敷地内を流れる渓流に面していてテラスのようになっています。ぼーっと水の流れを見ているだけでも落ち着くなあ…。

その後も庭園の中をぐるっと回ってみたのですが、足湯あり、プールあり、チャペルあり。もうなんかすごいです。売店も「売店」という響きから想像するよりずっと大きくて一通り見て回るだけでも結構かかるんじゃないでしょうか。そうこうしているうちにもう18時半。お待ちかねの夕食時間になりました。


夕食は「美厨(みくり)」という食事処で。
宿の食事は、以前は部屋出しのほうがありがたいと思っていましたが、プライベート空間に踏み込まれない分、食事処も楽でいいなと思い始めた今日この頃。美厨はとっても広い食事処で、真ん中にオープンキッチン。おそらくたくさんの方々が食事をされているんでしょうが、空間が十分なので全然周りが気になりません。さーて、今日の献立は…

一、一杯のおもてなし
ソムリエオリジナル酒(ゆず酒)

一、宴の膳
本日の和え物
ソフトシェルのビールフリッター
フォアグラとブルーベリーのブリオッシュ
アボカド寒天トマトクーリー バジルの香り
ジャンボンフロマージュ コルニション添え

一、椀
鱧梅肉新丈と洋野菜のコンソメ風仕立て 酢橘の香り

一、刺身
本日の厳選造里(鯛、鮪、カンパチ、甘海老)
あしらい一式 土佐醤油

一、魚料理
鮎の清流焼き 蓼バーニャカウダ
茗荷 スナックエンドウ

一、美厨名物
蝦夷鮑の踊り焼き 白ワイン風味
(香草バター、味噌バター、焦がし醤油バターからひとつ選ぶ)

一、肉料理
特選牛フィレ肉のロースト(オーストラリア)
おろしオニオンソース じゃがいもと豆のフラン

一、恵みの膳
小梅と鱧の炊き込みご飯
オクラとろろ 大和芋 生海苔 西京風味
香の物盛り合わせ

一、デザート
メロンカクテルゼリー


いやあ、おいしかったです。自遊人の方々とかグルメな方はいろいろと思うところもあるのでしょうが、もう我々には十分。鮑の踊り焼きなんて初めて食べました。個人的には椀ものと恵みの膳で出てきたお味噌汁(上記のオクラとろろ~西京風味までがそれです)は特に美味しくて印象に残りました。どれも出てくるたびに一瞬で食べてしまって、夫婦でおなかペコペコ感がすごかったんじゃないかと思います。
それから、料理以外のところでは、給仕をしてくださったおねーさんが印象に残りました。いやあ、よくできた人でした。我々の話にも付き合ってくださったし、それでいてまったく好感以外の印象を残さない給仕というのはなかなかできることではないのではないでしょうか(あれ、なんかまわりくどい言い方になった)。最後にアンケートを依頼されたのですが、「気持ちのいい接客をありがとうございました」と書かせていただきました。


夕食後は庭園のプールのところで、従業員の方による霊峰太鼓ショー。クオリティの高さもさることながら、花火まで打ちあがって超ド派手。毎日やっているらしいので、周辺住民の理解があるというのと、地域に受け入れられている宿だというのがよく分かります。妻が「このへんの働き口としてもだいぶ提供してるよね」といつになく鋭いことを言いました。そうだろうなあ、と素直にうなずき、そういう意味でもいい宿なんだろうなあ、と思いました。

部屋に戻ると布団も敷いてあって、おなかもいっぱいでバタンキュー。翌朝の早朝露天風呂も目論み、早く休んだのでありました。涼しかったのでエアコンいらずでしたねえ。


早朝はなんとか5時に起床。屋上露天の「富士山」は5時10分からなのでなんとか間に合いました。すると早朝にもかかわらずお年寄りを中心にもう7~8人はいらっしゃいました。早いなあ。露天の中はかけ湯があるくらいであとはすぐ湯船です。湯船は上段、中段、下段、という感じで分かれていて、僕は最初中段にいて、上段の人が減ってから上段のほうに移りました。上段は深さがあまりなく寝湯のようになっています。
さて、肝心の富士山ですが…


それはもう最高のお姿でした。
はっきりと晴れてくっきりとした雄姿が眼前に。これぞ日本一の山。


すごいなあ。ほんとに富士山と向かい合うお風呂、旅館の看板に偽りなしです。
ただ、あまりにも富士山が雄大なので、富士山をバックに自分の富士山を衆目にさらすという絵は結構危険です。通常、みなさんそれぞれにお持ちの(もちろん僕もですが)富士山については、浴場内では隠したり隠さなかったりとまあどっちでもという感じで、完全フリーな方も多いことでしょう。

しかし、この露天風呂ではちょっと危険。この日も知り合いとの会話に夢中で湯船の中で立ち上がり、みんなのほうを向いて富士山をバックに自分の富士山を開陳している方がいらっしゃいました。

そもそも、人間が敵わないから霊峰なのです。ホンモノの富士山をバックにしてしまうと、ご自分の富士山はどうしても矮小に映ってしまうのです。どちらかというと、自分一人で富士山同士を向い合せる方がまだ絵的にはよいでしょう。とりわけ、他人からするといたたまれない構図を見るのはとってもしのびない…って何の話ですか(笑)。下ネタすいません。


朝食は大きな会場でバイキング。そんなに貧弱でもなく、品数もまあまあ多かったのでよかったです。まさかオムレツまで作ってもらえるとは思いませんでした。
チェックアウトは早めですが、10時の設定。でも、早朝からお風呂が開いてて、自然と早起きできる仕組みになっているからそんなに「チェックアウト早いなあ」という気にはなりません。そんなところもとってもよくできている宿だと思いました。帰りも富士山駅まで送ってもらいます。出発していくたくさんのお客さんを順次仲居さんがきちんと見送る。昔の大型旅館という雰囲気がよく言われる鐘山苑ですが、やっぱりこれが「正統派」だよなと思いました。旅館ってこんな風にやれるところがあるんだな、と業界人ではないですけど、勉強させてもらった思いがしたのでした。


【次回宿泊に向けて】

・庭園をもう少しじっくり見学すればよかった。そういえば足湯にも入ってない。
・細流亭3号館の部屋でも十分広い!
・夜食にラーメン食べたかった。
・ロビーラウンジは雰囲気がよかった。次はここでコーヒー飲んでもいいな。


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瀧澤信秋『ホテルに騙されるな!』(光文社新書)

宿関係の内容の新書をときおり発行してくれる稀有な新書、光文社新書。宿モノシリーズにまたひとつ新作が加わりました。それが本書。恥ずかしながら著者の瀧澤氏はお初です。いろいろとご活躍のご様子です。

読後感としては、少し期待していたのと違ったなあというのが正直なところ。
「ホテルはコスパとコンセプトで選ぶ」というのがモットーでいらっしゃるようなので、そもそもいわゆるラグジュアリーホテルには興味がない、もしくは、価値を見出していないのかもしれません。実は、タイトルからはラグジュアリーホテルの裏側を暴いているのかと思ったもので…そこは読み違えた読者が悪いのかもしれません。著者HPを見ても、宿泊記などにはハイアット、リッツ、星のやなどは登場しないので、まあ路線が違うんですかね。宿泊者・利用者目線というのはそういうことなのかな?

一方、著者の「全国のコスパとコンセプトに優れたホテル20選」はなかなか目新しく感じました。地方のチェーンなんて目が届きにくいですもんね。これはこれで価値が高い情報ですよね。

ホテル評論家ならもう3歩くらい踏み込んでほしいと読者としては思いますが、おそらくこれからの方なのでしょう。次回作以降に期待です!書き手が限られている(ある意味無数にいるともいえる)業界なので、書き手が増えることはそれだけで素晴らしいことであります。って、本関係なくなっちゃった。

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